「がんばっていれば、いつかご褒美がある」
──もうひとつ、変化の点でいえば、子どもを産むと身体に大きな変化があるかと思います。妊娠、出産時期のお仕事では特に何が大変でしたか?
三石 臨月になるとお腹が圧迫されるので息が吸えなくて、3行セリフを一気にしゃべれなかったり、ブレスはちょっとずつしか吸えないから迫力が落ちてしまったりしたのが苦労しました。仕方がないことなんですけどね。
──産後も身体は変化の連続ですよね。
三石 横隔膜の力が弱っているから、時間をかけて徐々に戻していくしかなかったです。授乳期は定期的におっぱいが張って痛いから、スタジオのトイレで搾乳して張りをおさめてました。でも、古いスタジオで男女共用トイレだと、それも難しかったです。私よりも上の世代の女性声優で子育てをしていた方は、きっともっと大変だったはず。
今や子供も成人して、私よりしっかりしてて頼ることも多くなりました。アニメも好きだし、私が演じた役の感想を聞いたら「ちょっと声が低すぎるんじゃない?」なんてアドバイスしてくれることもあります(笑)。声優業も家庭のことも大変だけど、がんばっていれば、いつかご褒美があるものだと最近は実感していますね。
──最近感じた“ご褒美”は?
三石 先日発表になった大河ドラマ出演はまさにご褒美です。まさか大河ドラマで演じられるなんて思っていなかったので、ありがたいですね。(続きを読む)
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2023.06.26(月)
文=川俣綾加