また、遺跡内で2番目に大きい「月のピラミッド」や、外壁の彫刻が素晴らしい「ケツァルコアトルの神殿」、遺構を結ぶ約2キロメートルの「死者の道」など見どころがたくさんあるので、ゆっくり時間をかけて見てはいかがだろうか。

 さらに、「太陽のピラミッド」の奥にある博物館では、遺跡内で発掘された埋蔵物が収蔵、展示されている。少しわかりにくい場所にあり、多くの人が見逃してしまうのだが、ひっそりと立つ看板を目指して立ち寄ってみてほしい。

 

荘厳な佇まいの「メトロポリタン大聖堂」

 歴史地区はメキシコシティの観光地として人気のエリア。「ソカロ広場(中央広場)」を中心に古代遺跡や歴史的建造物が立ち並び、またおしゃれなレストランやカフェ・バー、アパレルショップなどがひしめいている。

 この歴史地区の中心部に建っているのが、幅59メートル、長さ128メートル、高さ67メートルの巨大な大聖堂。スペイン統治時代にこの地を征服したエルナン・コルテスによって建てられた、アメリカ大陸最大のキリスト教建造物である。

 16世紀から約300年の間にスペインの支配下で建てられた西洋建築物のなかでも、ひと際目を引く荘厳な佇まいで、周囲に建つ国立宮殿や西欧風の商業建物などと合わさり、美しい景観をつくっている。

 聖堂にはバロック調や新古典派などいくつもの建築様式が盛り込まれており、黄金色に輝く祭壇や、精巧な彫刻、優雅なシャンデリアなど、なんとも豪華な空間だ。

 

世界一美しい「メキシコシティ中央郵便局」

 ソカロ広場から徒歩約15分の場所にある、「世界一美しい」と評判の郵便局。重厚な洋風建物は一見高級ホテルか美術館のようで、手紙を出しに行っても知らなければ通り過ぎてしまいそうである。

 館内に入ると出迎えるのは、外観よりもさらに華麗なエントランス。黄金と白を基調した上品な空間に、美しい彫刻が刻まれた両階段、サイドにはクラシカルなエレベーターがあり、まるでラグジュアリーホテルの様相だ。

2023.06.10(土)
文=佐藤由樹