ただ、その酔っぱらいが180センチ以上あったからか、周りの人も最初は怖がって見ているだけだったんですね。で、殴られているうちに私の耳につけていたAirPodsが外れて転がっていったんですけど、それを「歯」だと思った人が止めにはいってくれて。
落ち着いてからその人に「きっとあなたも怖かったと思うのに、助けてくれてありがとうございます」とお礼を言ったんです。そしたら、「すぐに助けに入れなくてすみません。でも、お姉さん強そうだから大丈夫かなと思って」と言われて。
――それは失礼ですね。
りりあんぬ 最初は何を言われているのか理解できなかったのですが、だんだんムカついてきたんですよね。「私が小さくて細かったら、すぐに助けてくれるの? 私が大きくて太っているから、誰も助けてくれないの?」と。それで、「絶対痩せてやる!」と心に決めました。
サバゲーでダイエットをしようと思った理由
――それからサバゲーを始めたのですか?
りりあんぬ いえ、最初は食事制限で痩せようと思ったんですよ。でも、食べるのが大好きだから、全然うまくいかなかった。
無理して食事を減らすと、仕事にも集中できなくなってしまうから、これはまずいなと思ってすぐやめたんです。その次に思いついたのが、サバゲーでした。
――なぜサバゲーでダイエットをしようと思ったのでしょう?
りりあんぬ 新宿での事件があった1週間ほど前に、友達に誘われて初めてサバゲーに行ったんです。それまでは全然興味がなかったのですが、いざ行ってみたらすごく楽しくて。汗だくになりながら何時間も走り回って、お昼ごはんを食べるのも忘れるくらい夢中になって遊びました。
家に帰ったらもうヘトヘトで、お風呂に入ったら夕飯も食べずにそのまま寝てしまって。朝起きたときに、「あれ。私、昨日朝ごはんしか食べてなくない?」ってびっくりしましたね。あんなに食べるのが大好きなのに。ただそのときは、サバゲーに対する充足感はすごかったけど「たまにみんなとできるといいね」くらいの温度感でした。
2023.06.02(金)
文=仲 奈々