こちらは、中国ローカルメニューであると思われるポタージュと、そのポタージュと同じベースを使ったパスタ。中国独自のローカルメニューは、前述の茎わかめサラダのように、現地に根付いているものに限らないようだ。

 こちらも日本のサイゼリヤにはないメニューであり、「イタリア料理店で?」と不思議な気持ちになったメニュー。磯の香りがしっかりして、噛みごたえのあるプリプリのイカだ。ガーリックソースを付けていただく。しっかり美味しいのだが、やはり居酒屋や縁日の出店にあるほうがしっくりくるメニューだった。

 こちらも中国ローカルメニュー。中国で食べる鶏肉は風味を強く感じ美味しいという話を中国在住日本人の間でよくするが、こちらも肉の味がしっかりした。

 

 肉汁たっぷりで柔らかい身とパリパリの皮の相性が良く、食べ応えある量だ。中国の食文化を映してか、骨つき肉であったことが特徴的だ。

 ミラノ風ドリアは、中国でも日本同様、看板メニューのようだ。見た目やソースの味は日本でのものとほぼ変わらないが、黄色いターメリックライスは使われておらず、ケチャップライスだったことが大きな違いだ。

衝撃度No.1のローカルメニュー「ドリアンピザ」

 目を見張ったメニューがドリアンピザ。中国においては、パンやハンバーガー、パイなどにドリアンが使われることが珍しくない。日本にはない食文化が土台になったメニューである。

 こちらのピザは提供された状態では独特の香りがない。しかし、切り分けるとチーズの下からパンチのある香りが漂ってきた。

 口にすると、濃厚さや青臭さ、アクみが特徴的なドリアンと、しょっぱいチーズが不思議と良いハーモニーを奏でている。個人の好みとドリアンを食べ慣れているかで印象が変わるメニューだと思うが、筆者は試してみる面白さが優った。

 ワインは8種類から選ぶ形で、どの品種も日本のサイゼリヤと異なる。価格帯が22元(187mlサイズ)、58元、110元、140元と様々なものが用意されているのは同じであろう。

2023.05.29(月)
文=Ricai