焼肉、ソルロンタンなど長く愛され続ける食堂の魅力
飲食店が次々とオープンする一方で潰れる店も多く、10年続けば立派と言われるほど。そんな生き残りが厳しいソウルでは創業50年を超えれば老舗として一目置かれる。

その一つが1973年に誕生の焼肉店「ヨンムンカルビ」。
店主は「韓国産の牛、豚のカルビのみを扱い一本道を歩んできた。特別なことはしてない、変わらずいつも通り」と話す。

筋をとり除く肉の掃除、タレに牛肉を数日間漬け熟成させる作業など、手間を惜しまない積み重ねが、やわらかで旨みのあるカルビを生む。

【龍山】
ヨンムンカルビ(용문갈비)
所在地 ソウル特別市龍山区セチャン路127(서울특별시 용산구 새창로 127)
電話番号 02-712-3900
営業時間 11:00~22:00(L.O. 21:30)
定休日 無休

さらに長い歴史を持つのがソルロンタン(牛骨スープ)の店「チェムベオッ」。
創業は1933年。臭みのない上品なスープは店が閉まっている間でも24時間火を落とすことなく作られている。


牛骨と肉を分けて煮込み、最後に合わせて完成する白濁スープで、風味を引き立てる塩加減が絶妙。シンプルな料理だからこその繊細さを感じる。

【市庁】
チェムべオッ(잼배옥)
所在地 ソウル特別市中区世宗大路9ギル68-9(서울특별시 중구 세종대로9길 68-9)
電話番号 02-755-8106
営業時間 10:00~15:00、17:00~21:30、土曜 11:00~15:00
定休日 日曜
進化する韓国で変わらぬおいしさを守る名店は、この街の懐の深さの象徴。

2023.05.22(月)
Photographs=Wataru Sato
CREA 2023年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。