焼肉、ソルロンタンなど長く愛され続ける食堂の魅力
飲食店が次々とオープンする一方で潰れる店も多く、10年続けば立派と言われるほど。そんな生き残りが厳しいソウルでは創業50年を超えれば老舗として一目置かれる。
![祖父と孫といった3世代にわたる常連客も多い「ヨンムンカルビ」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/1/1280wm/img_6135354bef5ba59879be0e83d77f42fc144048.jpg)
その一つが1973年に誕生の焼肉店「ヨンムンカルビ」。
店主は「韓国産の牛、豚のカルビのみを扱い一本道を歩んできた。特別なことはしてない、変わらずいつも通り」と話す。
![左:韓国産牛肉は約15種類の素材を使った自家製タレに2~3日間漬け込みじっくり熟成させる。右:豚カルビ1人前(250g)W22,000。炭火で香ばしく焼き上げた肉はサンチュにコチュジャン、ネギなどと一緒に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/d/1280wm/img_3df3b37edd1c524a988f7db81fc92608121083.jpg)
筋をとり除く肉の掃除、タレに牛肉を数日間漬け熟成させる作業など、手間を惜しまない積み重ねが、やわらかで旨みのあるカルビを生む。
![「創業した当時と変わらぬ気持ちで続けています」とオ・チョンチャ社長。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/1280wm/img_8ded14edc59ebd31f5c47c4efac88f02143361.jpg)
【龍山】
ヨンムンカルビ(용문갈비)
所在地 ソウル特別市龍山区セチャン路127(서울특별시 용산구 새창로 127)
電話番号 02-712-3900
営業時間 11:00~22:00(L.O. 21:30)
定休日 無休
![市庁駅近くにある「チェムベオッ」の昼はビジネスマンで満席。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/b/1280wm/img_db9d23ed2e3a8cbd55be8ab104a29868103878.jpg)
さらに長い歴史を持つのがソルロンタン(牛骨スープ)の店「チェムベオッ」。
創業は1933年。臭みのない上品なスープは店が閉まっている間でも24時間火を落とすことなく作られている。
![左:創業時はソウル駅近くにあったが、のちに現在の場所に移転。右:100年後に残したい店の証「ソウル未来遺産」に認定。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/1280wm/img_6badef52b5e6c2a44411e93a59a2672d87035.jpg)
![左:ソルロンタン スペシャルW16,000。右:具の肉は4時間煮込んでやわらかくする。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/5/1280wm/img_050147507c1b58e6987795a483bd8dbf88195.jpg)
牛骨と肉を分けて煮込み、最後に合わせて完成する白濁スープで、風味を引き立てる塩加減が絶妙。シンプルな料理だからこその繊細さを感じる。
![「何よりも肉の鮮度が大事」とユン・キョンスック社長。料理人である夫が3代目。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/1280wm/img_7a9bcbba13bf1680755017c8a218774781304.jpg)
【市庁】
チェムべオッ(잼배옥)
所在地 ソウル特別市中区世宗大路9ギル68-9(서울특별시 중구 세종대로9길 68-9)
電話番号 02-755-8106
営業時間 10:00~15:00、17:00~21:30、土曜 11:00~15:00
定休日 日曜
進化する韓国で変わらぬおいしさを守る名店は、この街の懐の深さの象徴。
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2023.05.22(月)
Photographs=Wataru Sato
CREA 2023年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。