“萨门”

 “意大利沙县”

 中国の大人気口コミSNSアプリ、REDで「萨莉亚(読み:サリヤ、中国におけるサイゼリヤの名称)」と検索すると、このような言葉が並ぶ。

 “萨门”とはサイゼリヤ愛好家のこと。中国におけるサイゼリヤの名称、萨莉亚の頭文字から来た言葉だ。 “意大利沙县”とは中国語でイタリアを指す「意大利」に「沙县小吃」という中国でポピュラーな格安飲食チェーン店の名称を合わせた造語で、サイゼリヤを指すスラングだ。「イタリア版沙县小吃」といったニュアンスだろうか。

 近年中国でも人気上昇中のサイゼリヤだが、日本のそれとは異なる部分も多いらしい。中国現地のサイゼリヤを経験すべく、中国の首都である北京の北西部、海淀区にあるサイゼリヤを実際に訪れてみた。

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まずは日本のサイゼリヤにはないものを注文

 こちらはショッピングモールのレストラン階にあり、月曜18時半頃に訪れたにもかかわらず、入店に10分待つほどの盛況であった。他にも、北京・上海で2軒ずつ、天津で1軒サイゼリヤを見かけたが、どの場所も同じようにショッピングモール内に位置している。

 まず注文したのは茎わかめサラダ。日本のサイゼリヤにはないが、火鍋店での付け合わせやスーパーのお惣菜として、中国ではよく見かけるメニューだ。胡麻の風味と甘じょっぱさが食欲をかき立ててくれる。

 エスカルゴは日本で食べるものと量・味、そして煉瓦色の陶器の皿までもが同じもののようだ。周囲を見渡すとかなりのテーブルで注文されている。

 

ニンニクのよく効いた味が中国でも好まれているのだろう。フォッカチオは平べったく大きな一枚での提供である。

意外なローカルメニューの数々

 ローストされた野菜がトマトソースをまとった、ラタトゥイユのようなメニュー。素朴で少し酸っぱいトマト風味と控えめな塩味が美味しい。余談だが、中国においてこのようなメニューにこの価格帯で出会うことは難しいのでありがたい。

2023.05.29(月)
文=Ricai