“萨门”
“意大利沙县”
中国の大人気口コミSNSアプリ、REDで「萨莉亚(読み:サリヤ、中国におけるサイゼリヤの名称)」と検索すると、このような言葉が並ぶ。
“萨门”とはサイゼリヤ愛好家のこと。中国におけるサイゼリヤの名称、萨莉亚の頭文字から来た言葉だ。 “意大利沙县”とは中国語でイタリアを指す「意大利」に「沙县小吃」という中国でポピュラーな格安飲食チェーン店の名称を合わせた造語で、サイゼリヤを指すスラングだ。「イタリア版沙县小吃」といったニュアンスだろうか。
近年中国でも人気上昇中のサイゼリヤだが、日本のそれとは異なる部分も多いらしい。中国現地のサイゼリヤを経験すべく、中国の首都である北京の北西部、海淀区にあるサイゼリヤを実際に訪れてみた。
![馴染みのある外見。(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/2/1280wm/img_d27dc48b1af0d5a41deb4a0e7455c2d1379493.jpg)
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まずは日本のサイゼリヤにはないものを注文
こちらはショッピングモールのレストラン階にあり、月曜18時半頃に訪れたにもかかわらず、入店に10分待つほどの盛況であった。他にも、北京・上海で2軒ずつ、天津で1軒サイゼリヤを見かけたが、どの場所も同じようにショッピングモール内に位置している。
![専用の紙に記入して注文する。写真付きカラーコピーで贅沢だ。(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/a/1280wm/img_ba7bb75e2fc145ddadc1ab5ed78e2eea1761379.jpg)
![美味裙带丝(茎わかめサラダ)10元(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/c/1280wm/img_fce68147a8c5e2fee7aa784c0b62bc1f1557842.jpg)
まず注文したのは茎わかめサラダ。日本のサイゼリヤにはないが、火鍋店での付け合わせやスーパーのお惣菜として、中国ではよく見かけるメニューだ。胡麻の風味と甘じょっぱさが食欲をかき立ててくれる。
![烤蜗牛(エスカルゴ)18元(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/1/1280wm/img_51298f14b175032d707a5a8bb19eb9e11218048.jpg)
![原味薄饼(フォッカチオ)5元(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/d/1280wm/img_2dc1a49ead2eb577212da3a5e71a62971408755.jpg)
エスカルゴは日本で食べるものと量・味、そして煉瓦色の陶器の皿までもが同じもののようだ。周囲を見渡すとかなりのテーブルで注文されている。
ニンニクのよく効いた味が中国でも好まれているのだろう。フォッカチオは平べったく大きな一枚での提供である。
意外なローカルメニューの数々
![香烤蔬菜(ロースト野菜)10元(筆者提供)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/e/1280wm/img_7e14b294e0c8dd357a82831e31eb53e51178139.jpg)
ローストされた野菜がトマトソースをまとった、ラタトゥイユのようなメニュー。素朴で少し酸っぱいトマト風味と控えめな塩味が美味しい。余談だが、中国においてこのようなメニューにこの価格帯で出会うことは難しいのでありがたい。
2023.05.29(月)
文=Ricai