そして、かけつゆをひとくち。本鰹節や鯖節などの節粉で丁寧に出汁をとった香り豊かな味である。鰹節がさらに追いかつおのような効果を演出して旨味が広がる。そばは生麺でやや平打ち系でコシがよい。

 

 別に注文した大きなブラックタイガーを使ったえび天をそばにのせて食べてみる。プリップリの食感がたまらない。赤松店長が「材料には相当よいものを使っている」というのがよく分かる。

 ミニじゃない天丼のかき揚げは箸でホロホロと崩れていく。丼つゆと相俟ってなかなかよい。かき揚げの一部をとって、かけそばに「留学」(移動)して食べ進めるとこれがまたうまい。

キリッと冷えた「春菊天冷しそば」

 また別の日に食べた「春菊天冷しそば」(570円)はそばもキリッと冷えていて、春菊天が大きくサクサクで、なかなかの出来栄えだった。

 お手拭きも用意されているし気配りがよい。また店内に「撮影OK」の貼り紙があるのだが、赤松店長に訊くと「広告宣伝する余裕がないので、YouTubeでもSNSでもどんどん載せてくださるとありがたい」ということだった。

 場所的にはかなりポツン度が高い「あかまつ」だが、提供するそばうどんやセットメニューはなかなかの完成度であった。「カレーライス」や「肉そば」も人気のようだし量も多い。駐車場もあるし、近隣の人たちや車を使う人にはすでに便利な店になっているようだ。

新中川の堤防を歩く

 帰りは新中川の堤防を歩き、仲井堀親水緑道を経由して一之江へ戻ることにした。環七の喧騒とは違い畑などもまだ残る穏やかな風景が広がっていた。再訪しようと思う。

INFORMATION

あかまつ
住所:東京都江戸川区一之江1-5-3
営業時間:火~金6:00~15:00
定休日:日

2023.05.14(日)
文=坂崎仁紀