筋やセンスは、感覚です。いわく言い難い何かがその人に備わっているということで、数字で立証できるような評価軸ではありません。「企画センスがいい」などと言われたら、誰でも自然とやる気が出るものです。

発想力がすごいですね

 発想をほめるのは、相手のクリエイティビティへの評価です。

 これからは仕事は単に事務作業としてこなせればよいのではなく、クリエイティブであることが価値を持つ時代です。

 

 クリエイティブな能力は、点数で測れるものではありません。クリエイティブだとこちらが感じ、それを拍手してほめる姿勢が大事です。「発想が利益を生む」「発想がトラブルを解決する」などと、文脈を繋げれば話も広がりますから、ほめやすくなりますし。

相手を承認する言葉は具体的であるほど心に残る

 ほめるには、タイミングが重要です。改まって言うより、相手に光る部分を感じた瞬間、その場で反応するのがよいのです。即座にリアクションを返す「リアクションぼめ」の習慣をつけましょう。

「え、すごい」はシンプルな言葉ですが、感動を直に伝えることができます。しかしそれだけでは弱いので、ほめ言葉というよりも相槌のように受け止められてしまう可能性があります。そこから一歩進んで、何をすごいと感じたのかを伝えましょう。

「クリエイティブですね」「発想力が素晴らしいですね」と一言、「すごい」の中身をブレイクダウン(細分化して落とし込む)する。その間に、繋ぐ言葉を考えます。

 相手を承認する言葉は具体的であるほど、心に残るものです。

状況判断力が優れていますね

 状況判断はレベルが高い能力ですから、言われると嬉しい言葉です。社会人として優れていることを表わしますし、当事者としてリスクを取って行動したことを評価されたと伝わります。

 私の職場にも、トラブル処理を任せるときれいに解決する人がいます。状況を判断して理解して、問題の本質を言い当て、それを解いて時系列で文章にしてまとめるところまで、完璧な技術を持った人です。状況判断も説得力も優れているのです。

2023.05.13(土)
文=齋藤 孝