90年代に生まれた韓国ポップカルチャー
なぜそんなに韓ドラに夢中になるのか。脚本の秀逸さだったり豊富な制作費だったり、理由はいろいろあるけれど、日本に比べると「ドラマの歴史が浅い」ことが実は大きい。振り返れば、韓国では1980年代末まで軍事政権が続き、それまで言論の自由も表現の自由もなく、僕が松田聖子の歌を書いていたときには光州事件(注:80年に起こった民主化運動)が起こっていた。
現在の韓国ポップカルチャーの元が生まれたのは90年代になってから。僕がKinKi Kidsの『硝子の少年』(97年)を書いていたころにやっと土台ができてきた。それを考えると、すごいスピードで進化しているし、そこに面白さを感じる。ドラマや映画、もちろん音楽も。音楽に関しては、流行りのK-POPはまったく聴かないけれど、ドラマのサントラはよく聴く。というか、ほぼ毎日聴いてる(笑)。
いま気に入っているのは『マイ・ディア・ミスター』の挿入歌を歌うSondia。歌番組にはあまり登場しないドラマ専門の歌手で『梨泰院クラス』の挿入歌もそう。あと、『私の解放日誌』の挿入歌を歌うイ・スヒョンも注目してる。お兄さんとAKUMというユニットで活動していて兄妹そろって歌がうまい。彼らには詞を書いてみたいな。
松本 隆さん注目のOST歌手たち
◆『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』オリジナル・サウンドトラック(輸入盤)
Sondiaが歌う『大人』はドラマの主要場面で使われた。
発売・販売元:CJ E&M
◆『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち』日本版オリジナル・サウンドトラック
イ・スヒョンの兄妹ユニットAKMUが挿入歌を担当。
3,300円 発売・販売元:ポニーキャニオン
2023.05.09(火)
Text=Izumi karashima