——フリーランスになってから、仕事面はどのように変わったのでしょうか。

宇賀 仕事については、オファーをいただいたらまず「やるかやらないか」を自分で決めています。受けると決めたら、クライアントさんとメールや電話でやりとりもしていますね。フリーだと報酬の交渉が難しいんですが、そこも今では自分の中で相場を決めているので、あまり困ることもない。

 

 判断の基準は「心がときめくかどうか」。誰かを責めたり批判したりするようなネガティブな発信ではなく、世界中の美しいものや楽しい場所、素敵な人についてもっと多くの人に伝えるような仕事ができたら幸せですね。あとは「自分が役に立てるか」も大切です。やりたいことであっても、自分の存在がプラスに働かない仕事もあるでしょうし。

やりたい仕事がある時は、アグレッシブに行動するのも大事

——フリーランス転身後に印象深い仕事はありましたか。

宇賀 いくつもありますが、最初に夢が叶ったのがラジオのパーソナリティですね。子供の頃からの憧れで、ずっとやりたいと思っていたものの、まさか自分ができるなんて思っていなくて。でも「やりたい」ってずっと言葉に出し続けていれば、いつか本当に叶うんだなって実感しました。

 あとは旅エッセイの連載。実は最初は自分から営業をかけたんですよ。やりたい仕事がある時は、アグレッシブに行動するのも大事かなと思っています。

 今は好きなことが仕事につながっているので、仕事とプライベートの境目がない感覚です。

「こうあるべき」「こうしなきゃ」という世間の価値観に縛られない

——ちなみに、経理や事務作業なども全て自分でやるのは大変ではないですか?

宇賀 よく聞かれるんですけど、もともと会社員時代もお金の計算は好きでやっていたので、全然苦にならないんですよね。それに今はアプリなどの便利なツールも発達していて、ほとんどオンラインで完結できるから、移動中とかにちょこっとやっているくらいです。

2023.04.19(水)
文=安心院 彩