2月21日、上野動物園のジャイアントパンダ・シャンシャン(メス・5歳)が返還先の中国に向け旅立った。日本時間午後6時半ごろ、中国に到着する予定だという。
2017年6月に上野動物園で生まれて以降、アイドル的存在として長年親しまれてきたシャンシャン。予定されていた「帰国」はコロナ禍の影響を受け難航し、心配する声も上がっていた。上野動物園で一大ブームを巻き起こしたアイドルたちの姿を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」2022年11月10日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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2022年10月28日は中国からジャイアントパンダのカンカンとランランが東京都恩賜上野動物園に来園して50年の記念の日。パンダジャーナリストの中川美帆氏は同日に同園を訪れたという。
「28日に発売された、今いる5頭の写真が載った毛布と、生後間もなく死んだ2頭も含む歴代15頭が載った50周年記念クリアファイルに感激しました」
開園後にも2キロの行列「カンカン&ランランブーム」
1972年、カンカンとランランはブームを巻き起こした。
![カンカン](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/1/1280wm/img_313539264de055c96ba14847b795d76456645.jpg)
![ランラン](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/1280wm/img_a3966d9efa7067fd468573cbbbfa14af59810.jpg)
「開園前に1キロ、開園後に2キロの行列ができたそうです。年間入場者数は2年後に約765万人と最多を記録しました」
![パンダ初公開に並ぶ人々 撮影 丸山洋平](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/1280wm/img_55fd919d16e12ce479f6c5890c612a091101088.jpg)
ランラン急死も繋がれていく命
しかし、ランランは79年に急死。あと1カ月で誕生したと思われる赤ちゃんを宿していた。
「この時の知見がその後に繋がっていくんです。翌年来日したホァンホァンが人工授精でチュチュ、トントン、ユウユウの3頭を出産。当時の飼育員の方がこんな言葉を残されています。『ランランの遺産だと思いました』と」
![トントンは1986年6月に人工授精により日本で初めて生まれた雌。日本中が虜になり、27万通の名前応募が。86年12月撮影。2000年病死/写真提供 時事通信、毎日新聞社/左(トントン)右(ホァンホァン)](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/1280wm/img_48da1f3031e5ac9f09704ce668e7465d77470.jpg)
![2017年6月に初の自然交配で生まれた雌(シャンシャン)。母はシンシン。中国野生動物保護協会との協定によって今年12月に返還予定/撮影(17年12月)橋本 篤](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/1280wm/img_0392110d0e97ec24340de9b350150292100237.jpg)
![2021年6月に自然交配で生まれた双子。シャオシャオ(左)が雄で、レイレイ(右)が雌。母親(シンシン)離れは間近だ。21年12月撮影/写真提供 (公財)東京動物園協会](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/1280wm/img_ffa37d68bb5a7e454381667f2d3d5434121379.jpg)
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
2023.03.05(日)
文=「週刊文春」編集部