#268 Shinji-ko
宍道湖(島根県)
“宍道湖”と書いて“しんじこ”と読むと知ったのは、大好物のしじみの産地を調べた時。
宍道湖は周囲47キロメートル、日本で7番目に大きな湖で、淡水と海水が混じりあった汽水湖です。宍道湖は、大橋川、中海を経由して、日本海とつながっています。
日本海とつながっていることから、江戸時代には日本海や北海道の産物を運ぶ北前船も宍道湖に入ってきて、寄港地として栄えたそうです。
宍道湖で獲れるしじみは、“汽水域でしか育たない”ヤマトシジミ。ここでは「宍道湖しじみ」としてブランド化しています。
「宍道湖しじみ」は高さによって、サイズが決められています。貝が閉じている状態で殻の高さが12~14ミリがMサイズ、14ミリ~16ミリ未満がLサイズ、16ミリ以上が2Lなど。ころっと丸いLサイズ以上になると、食べごたえもかなりあります。
約270人の漁師さんがしじみ漁に従事し、日本一の生産量を誇っている宍道湖。資源保護のために、先代の頃から続くルールがあります。
漁を行うのは月・火・木・金の週4日。1日に漁獲できる量は一人約90キロ。1日の操業時間は、手掻きは4時間、機械掻きは3時間。
わたしは週末に行ってしまったので、しじみ漁の風景を実際に見ることはできませんでしたが、操業日の早朝には嫁ヶ島周辺にいくつもの小舟が浮かび、旅情を誘う風景だそう。
2023.02.25(土)
文・撮影=古関千恵子