日本最古の湯のひとつ「玉造温泉」も楽しみたい

 宍道湖から内陸へ、車で10分足らずの場所には“美肌の湯”で知られる玉造温泉があります。

 日本最古の湯のひとつ玉造温泉の最新ニュースといえば、「界 玉造」のリニューアルオープン!

 無数の竹灯籠が整列する中庭を囲むように建てられた、和情緒あふれる建物に客室が24。そのすべてに檜または信楽焼の露天風呂をしつらえた、贅沢なお宿です。

 これまで純和風なテイストだった客室が、今回のリニューアルによってスタイリッシュなデザインに、そしてより広い間取りとなりました。

 今の季節なら冬の特別会席として「タグ付き活松葉蟹会席」がいただけます! “タグ付き”の厳選された松葉ガニを、オリジナルの奉書蒸し、焼き、刺身などで、存分に味わえます。この冬ならではのごほうびは、2023年3月10日まで。

 界 玉造で使用している器が気になり、立ち寄ってみたのが大正11年に開窯した「湯町窯」。

 民藝運動の旗手である柳宗悦やバーナード・リーチ、河井寛次郎などが山陰に来た際にここを訪れたことが、その後の湯町窯の転機に。

 「地元の粘土で、ここ独特のものを作りなさい」との柳宗悦の言葉に試行錯誤していた先代と三代目は目からうろこがぽろり。

 「カップの持ち手は指がちょうど1本入るとバランスがいい。器から生えているように付けると美しさも、力強さも出る。そして唇が喜ぶような感触に。内側はスプーンで混ぜやすいように丸く……」。バーナード・リーチの教えは今もカップ作りに活かされています。

 そして湯町窯の代名詞となっているのが、戦後まもなくから作り続けているエッグベーカー。生卵を割り入れて、弱い直火で5分くらい焼きます。白身が白くなったら火を止め、5分蒸らします(電子レンジも可)。

 ふたを開けると、ふわ~っと卵そのものの、やさしい香り。卵がごちそうになります。

 美味しいしじみから始まった宍道湖探訪、玉造温泉と合わせると、旅の濃度がアップしますよ。

宍道湖

●アクセス 羽田空港から出雲縁結び空港まで約90分。空港から車で宍道湖まで約15分、界 玉造まで約30分。
●おすすめステイ先 界 玉造

【取材協力】

界 玉造 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitamatsukuri/
宍道湖漁業協同組合 https://shinjiko.jp/pages/8/
宍道湖観光遊覧船はくちょう https://hakuchougo.jp/
湯町窯 電話番号 0852-62-0726

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2023.02.25(土)
文・撮影=古関千恵子