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 フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。今日は、花を飾ってみませんか?

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3月11日の花は「ヤマブキ」

 小学生の頃、絵具の色の名前にヤマブキ色という文字を見つけた方も多いのではないでしょうか?

 ヤマブキは、日本に自生している植物で、万葉集にも沢山登場しています。

 大伴家持の歌「山吹の花の盛りにかくの如君を見まくは千年にもがも」は、山吹の花の盛りにあなたに逢えるこの時が永遠に続いてほしいものですと、永遠に続かないことの儚さが心に響く歌です。

 これは天平勝宝6年3月25日の宴での歌で、暦の違いはありますが現代ではソメイヨシノの季節が終わったころ、4月中旬から5月にかけてヤマブキの花は旬を迎えます。

 花屋さんではいち早く、3月のこのくらいの時期にヤマブキの花を見ることができるでしょう。

 一重の品種は5枚の花びらがまるで黄色い桜のように見え、八重の品種はいくつものマリーゴールドが散りばめられたような姿をしています。

 清楚な和の雰囲気を出したい時には一重のものを、弾けるような春の喜びを体感したいときには八重のものをと、シチュエーションに合わせて選びましょう。

 ヤマブキは丈がありますので陶器などの重さがある花器に飾ると安定します。

【ヤマブキの花言葉】気品、崇高、金運、旺盛、待ちかねる
【ヤマブキが誕生花の人】3月4日、3月29日、4月7日、4月25日、4月30日生まれ

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佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。’20年から、CREA WEBにて「Playful Flower Life!」連載中。

次の話を読む【3月12日の花】ハゴロモジャスミン 甘い香りを漂わせる白く可憐な花

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フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。花にまつわるトピックスや飾り方などもあわせて紹介します。今日は、花を飾ってみませんか?

 

2023.03.11(土)
文=佐藤俊輔
イラスト=佐藤弘昌