河西 発信しているのが国民というのが大きいですよね。誰かの発言に反論すると、今度はその発信者を責める人が出てくる。つまり、反論すると個人を傷つける可能性がある。

矢部 昨今だと改修工事が終わった秋篠宮邸です。総工費約30億2000万円と宮内庁が説明しましたが、「紀子さまが金やイタリア産大理石を要望した」といった報道などもあり、「現代のベルサイユ宮殿」ということになっています。

 

オンライン授業が多かった愛子さま

河西 SNSとメディアが報じるうちに、根拠のわからない「事実」になる。

矢部 小室圭さんと眞子さんに関しても、「ニューヨークでの警備費が年間8億円」というのがネット上の常識になっています。宮内庁が外務省と連携して説明したらいいのにと思います。

江森 一般国民がどんどん発信できる便利な世の中になったと思います。でも、真偽不明の一方的な情報が発信されるという弊害をどうしたらよいのか。私は間違った情報に反論するというよりも、ともかくタイムリーに正しい情報をより多く発信し続ける必要があると思います。

 楽観的かもしれませんが、そうすることで間違った情報が淘汰されていくのではないでしょうか。発信する、攻め続けた方がいいのではと思います。サッカーみたいですが(笑)。

矢部 天皇家といえば、愛子さまが12月1日に21歳になりました。学習院大学3年生ですが、12月に3日間投稿されるまでは、授業はすべてオンラインでした。なぜ大学に行かないのか、不思議でした。

河西 私の大学も対面授業に戻っています。

矢部 今の若い人たちはオンラインでも仲良くなれると言いますが。

河西 なれるのですが、学生を見ていると、「やっとリアルで会えた!」という感じで、仲良くなったように見えます。友達の実感は、授業の合間の会話などで持てるものですから。

矢部 ご両親をコロナ感染させるわけにいかないという強い思いがあるのかもしれませんが、若いのですから皇居に閉じこもらず、大学には行ったらいいのに。

2023.01.17(火)
文=矢部万紀子