江森 あんな制度とはなんでしょう?

河西 自由に結婚もできないような皇室という制度はやめた方がいいという考え方です。

矢部 若い人には小室さんと眞子さんが「一時金」で1億円以上もらえるということへの反発が強いのだと思っていました。

河西 お金の問題への言及もあったのですが、なぜ好きなのに結婚できないのか。そんな制度はいらない、という声が多かったです。平成の終わりは「政治家はだらしないけど、天皇、皇后は素晴らしい。この制度は絶対残すべきだ」という意見が多かったのですが。

 

矢部 結婚について眞子さんは、一貫して「自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」と訴えていました。「あるべき姿」より「自分らしく」というのが今の人だとすれば、共感する言葉だったのかもしれませんね。

江森 長引くコロナ禍にロシアのウクライナ侵攻が加わって将来への不安が募り、私たちの暮らしは日々、厳しさを増しています。2021年の誕生日会見で秋篠宮さまは皇室のあるべき姿について「国民と苦楽を共にし、そして国民の幸せを願いつつ務めを果たしていく、これが基本にある」と説明されましたが、苦しい時にこそ国民に寄り添い、慰め、励ますのが皇室の大きな役割だと思います。

 多くの国民も天皇ご一家や秋篠宮ご一家と直接、触れ合うことで癒やされ、その様子が報道されることで国民の間にやすらぎの輪がさらに広がるのではないでしょうか。こうした皇室の存在や重要な役割といった大きな視点から、眞子さんの結婚問題について考えることも大切だと思います。

●雅子さまのお誕生日文書についてや、愛子さまと同年代のヨーロッパのプリンセスたち、黒田清子さんが初公務をされた年齢についてなど、座談会の全文は『週刊文春WOMAN2023創刊4周年記念号』でご覧いただけます。

2023.01.17(火)
文=矢部万紀子