天皇ご一家は御所で静かにお過ごしになり、たまに陛下と雅子さま、陛下と愛子さまという組み合わせでテニスをなさったり、職員を交えてバレーボールを楽しまれたりした。身体を動かすことも、公務に繋がる体力作りとして必要なことの一つだとお考えになっているためだ。

「陛下はジョギングをなさっていましたが、以前とまったく速さが変わらないので驚かされます。健康維持のために、雅子さまと少しダイエットをなさったと言っておられました」(宮内庁関係者)

 夏休み中、大学の課題の提出やレポート作成をなさっていた愛子さまは、合間を見て無事に成虫になった蚕の卵を採取されたという。飼っている犬や猫、カメなどと同じように成長を見守る喜びを感じていらっしゃるようだ。

ご夫妻は“異例”の葬儀参列を強く求められた

 8月10日、雅子さまは今年2回目の単独公務を務められた。

 第48回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式に日本赤十字社の名誉総裁としてご出席。3年ぶりに看護活動に顕著な功績や功労のある人たちを顕彰なさった。雅子さまは、受章者それぞれの活動について熱心に質問を重ねていらしたという。出席した看護師の中には、「皇后さまは、立場はまったく違いますけれど、言葉の中に仕事を続けて来られたことの大変さや喜びが詰まっているような重みが感じられました」と語っていた人もいた。

 英王室は9月8日、エリザベス女王が滞在中のバルモラル城で死去したと発表した。英国政府から国葬の招待状が日本に届いたのは、9月10日のことだ。

 陛下は訃報を聞いた瞬間から、ご夫妻で参列する意向を強く持たれ、西村泰彦宮内庁長官に英国行きの意思をすぐに伝えられたといわれる。

 皇室と英国王室の親交は深い。昭和天皇、平成の天皇から陛下へと三代に渡って受けつがれてきた。だが天皇が外国の王室や元首の葬儀に参列するのは、皇室の慣例からすると異例なことだった。

「1993年に在位中の上皇陛下がベルギーのボードワン国王の葬儀にご夫妻で参列なさったことはありましたが、あれはご夫妻同士の長年の交流があったからこそ。以来、例はありません」(元宮内記者)

2023.01.10(火)
文=友納尚子