気品まばゆい、白の装い。12月9日、59歳の誕生日を迎えられた雅子皇后陛下の近影である。29歳半で天皇陛下と結婚されたことを振り返り、「人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきた」と深い感慨を綴られた。

毎年必ず見られた「快復に努める」趣旨文言がなし

「驚いたことに平成23年以降、毎年必ず見られた『快復に努める』趣旨の文言がありませんでした。医師団の見解は例年通り『御体調には波がおあり』ですから、ご自身のお心に変化があったと思われます」(皇室解説者の山下晋司氏)

 きっかけは令和元年の即位ではないかと山下氏は語る。

「国民から『思いがけないほど』温かい祝意を受けたと述べておられました。地方の公務でも歓迎され、自信を徐々に取り戻されたのでしょう。無理に完治を急がず、できる範囲で工夫してお務めに取り組んでいきたい。そんな自然体の決意を感じました」(同前)

新調の白スーツに込められた“まっさらな想い”

 歴史文化学研究者の青木淳子氏は“白”に率直なお気持ちを見た。

 

「ご体調を崩されてからよくお召しになっている色です。苦悩の中、濁りのない白を纏って本来のご自身に立ち返ろうとされたのではないでしょうか。

 雅子さまはこれまでも、2006年の愛子さま入園式や、2014年のお正月写真、2016年の春の園遊会などで、へちま襟の優美なホワイトスーツを選択されていました。今回のお召し物とよく似ていますが、襟の形やボタンなどの細部に違いが見られます。おそらく、皇后になられてから新調されたのでしょう。”皇室での日々”が人生の半分を超えるという節目の年に、よりまっさらな想いで臨まれたものと思います」

 雅子さまの輝けるリスタートを見守りたい。

写真提供 宮内庁

2022.12.28(水)
文=「週刊文春」編集部