12月13日に発表になった「週刊文春CINEMA!」初の試み、大アンケートによる今年1年の映画ランキング。公開規模の大小にかかわらず、ぜひ観たい、観てほしい作品がずらりとラインナップした。今回はその中から上位に入った5つについて抜粋して引用する。

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5位:『RRR』――観客の感情を搔き立てまくる、『バーフバリ』監督の新作

 日本でも大ヒットを記録した『バーフバリ』2部作監督の新作。となると当然、

「神話かと見まがうハイカロリーな映像の連打とクソデカ感情てんこもりで3時間の上映時間がもはや短くすら感じる」(宇垣美里)

 評する側も映画に負けない強い言葉を選ばざるを得ないのである。

 イギリス統治下、20世紀前半のインド。超常的に強い2人の男が、敵対しながら互いの正体を知らずに友情を育む。しかしついに激しくぶつかり合って、やがて共闘する。……と書くと無理やりな展開っぽいが、「怒濤のストーリーテリングと絵力」(澤井健)で、観客のエモーションを操り、血を熱くたぎらせていく。それゆえ、

「もうなんでしょ、何回も得体の知れない涙が出てきました。熱と予算ががっしり手を組んだらこんな規格外の作品が生まれるんだ、と大興奮。未見の方は絶対映画館で観てほしい!」(金沢知樹)

 人にオススメする口調も自ずと熱くなる。

 

4位:『NOPE/ノープ』――ずば抜けた映像美と予想外の展開で観客を翻弄する、UFOホラー

 快晴の空から何かが落ちてくる。拾ってみるとコインや家の鍵。空に一体何が?……というところから始まるホラー。しかし、

「ジョーダン・ピールという人間の曲者ぶりがやはり悔しいくらいに面白かった」(ヒコロヒー)

 という感想も納得、意外な要素、謎が次々と出てくる。凶悪チンパンジー、ゾエトロープ……一体なんの繋がりが? そんな観客の疑問を山積みにしたまま、ついにUFOが姿を表す。

「怪獣映画としても傑作でした」(杉山すぴ豊)

2023.01.07(土)
文=「週刊文春CINEMA!」編集部