この記事の連載

 前回まではイスタンブールでの新旧ショッピング情報とグルメ情報をご紹介してきたが、今回は観光情報をお届けしたい。

 旧市街(スルタン・アフメット)にあるふたつのモスクは、どちらも、遠くからでもミナレット(塔)が目立つ、イスタンブールを象徴する観光名所。この街を訪れる旅行者が必ず訪れる美しいモスクだ。

 また、ヨーロッパ大陸とアジア大陸の両方を眺めながらの遊覧クルーズは、イスタンブールならではの楽しみ方。ボスポラス海峡を進みながら、東洋と西洋に思いを馳せ、そのまま船でレストランへ。ラグジュアリーなひと時をご提案。

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旧市街にあるふたつの美モスク「アヤソフィア」と「ブルー・モスク」

 街全体がユネスコの世界遺産に認定されているイスタンブールの旧市街には、ふたつのモスクがある。ビザンティン様式の「アヤソフィア・イ・ケビル・ジャーミィ」と、オスマン様式の「スルタンアフメット・ジャーミィ」、通称「ブルーモスク」だ。「ジャーミィ」とは、トルコ語でモスクを意味する。

 「アヤソフィア・イ・ケビル・ジャーミィ」は、ビザンティン様式建築の最高傑作と称される。歴史の変化とともに役割を変化させて受け継がれてきた。

 最初の建物は、イスタンブールがビザンティン帝国(東ローマ帝国)の首都コンスタンティノーブルだった西暦360年、コンスタンティヌス一世の命により、キリスト教の大聖堂として完成した。3度の火災に見舞われ、現在の建物は4代目だ。

 1453年にオスマン帝国がコンスタンティノープルを陥落すると、「アヤソフィア・イ・ケビル・ジャーミィ」はモスクとなり、改修を重ねて現在の姿となった。キリスト教とイスラム教の特徴を併せもつ、世界でも数少ない建築物だ。

 1934年の閣議決定の後からはトルコ共和国政府が博物館としていたが、2020年に再びモスクとなった。現在でも、イスラム教のお祈りの時間以外は中を見ることができる。博物館となった際には、キリスト教のモザイク画を覆っていた白漆喰が除去された。

 巨大なドームは、宗教に関係なく、圧倒される迫力だ。イスラム教は、偶像崇拝が禁忌とされているため、2020年に再びモスクとなってからは、モザイク画には白い布がかけられている。

 もうひとつのモスク「ブルーモスク」は、正式名称は「スルタンアフメット・ジャーミィ」だが、建物が青味を帯びた色であることから「ブルーモスク」と呼ばれている。通常はモスクのミナレットは4本なのに、「ブルーモスク」は6本。ミナレットの数も世界で最も美しいモスクと称される優美なシルエットを際立たせている。

 このモスクは、オスマン帝国時代の1609年、スルタン・アフメット1世の命により建設が始まり、7年半の歳月をかけて完成した。

 数年前から修復をしているため、外壁のほとんどが布で覆われていて、中に入ってもお祈りのための小さなスペース以外はほとんど見ることができない。2023年半ばの完成を予定している。

Ayasofya-i Kebir Cami-i(アヤソフィア・イ・ケビル・ジャーミィ)

所在地 Sultan Ahmet, Ayasofya Meydanı No:1, 34122 Fatih, Istanbul
https://ayasofyacamii.gov.tr/(トルコ語)


 

Sultan Ahmet Camii(スルタンアフメット・ジャーミィ)

所在地 Sultanahmet Mah At Meydani Cad No: 7, İstanbul 34122,
http://www.sultanahmetcamii.org/

2022.12.24(土)
文・撮影=たかせ藍沙