この記事の連載

 ヨーロッパ大陸とアジア大陸の2大陸にまたがるイスタンブール。ローマ帝国、ビザンティン帝国、オスマン帝国の首都として栄え、今なお世界でも上位にランキングされる大都市圏のひとつであるこの街に、今、アイコニックなクリエイターたちが集い、新しい文化を華咲かせている。

 中でも、新市街の北部に位置するニシャンタシュ地区はインターナショナルブランドの高級ブティックやアートギャラリー、地元のデザイナーや工芸家のショップなどが集まっていて、感度の高いクリエイターたちの情報発信の場にもなっている。

 そんなニシャンタシュ地区で注目の最旬クリエイターや今行くべきレストランをご紹介。

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トルコのセレブが愛する華やかなドレス「オズレム・スエル」

 ニシャンタシュ地区の北の外れに、1928年に建てられた瀟洒な庭付きの一軒家がある。「オズレム・スエル」のブティック軒アトリエ「オズレム・スエル・ハウス」だ。「オズレム・スエル」はトルコを代表する婦人服ブランドで、セレブが身にまとう華やかなドレスで知られている。ウエディングドレスのコレクションはトルコの女性たちの憬れだ。

 ブランド創始者のオズレム・スエルさんは、30年以上ファッションに関わってきた。大学のテキスタイル学科卒業後、テキスタイルとファッションデザイン学科の修士号、博士号を取得。自身のブランド「オズレム・スエル」を立ち上げた。

 現在では、商品開発の傍ら、国内外の大学で服飾デザインを教えたり、学術セミナーやワークショップで情報発信したり、トルコを代表して色とトレンドを決める「インターカラー」に参加している。

 これまでに、ロンドン、ミラノ、モスクワ、パリ、ニューヨーク、ベルリン、デュッセルドルフ、そして東京で、ファッションショーやパフォーマンスを催してきた。素材と色にこだわり、毎年発表される実験的なコレクションは常に注目を集めている。

 「オズレム・スエル・ハウス」では、糸から素材を織り上げて、他にはないオリジナルのドレスをデザインしている。

 3階建ての建物内は、部屋ごとに、コンセプトの違うコレクションがズラリと並んでいる。どのドレスも、刺しゅうやフリル、プリーツなど、随所に細かな職人技が施されていて、思わず見とれてしまう美しさだ。

 華やかな側面が注目されているが、カジュアルな日常着や、リサイクルできる服、サステイナブルな洗剤も開発している。長年の実績の上にあぐらをかくことなく、時代の変化に敏感な、トルコのファッション業界の重鎮だ。

Özlem Süer (オズレム・スーア)

所在地 Teşvikiye, Büyük Çiftlik Sk. No:20, 34365 Şişli, İstanbul
電話番号 212-240-57-38
Instagram @ozlemsuer

2022.10.29(土)
文・写真=たかせ藍沙