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島の食文化を反映したディナー「島テロワール」を堪能

 夕食は、この冬限定・全8品のディナーコース「島テロワール」をチョイス(1人14,520円、2022年12月10日~3月下旬まで。要予約)。オーセンティックなフレンチをベースに島の食文化を反映した、サスティナブルな新料理を味わえます。

 食前には、屋外でアペリティフを。ダイニングの近くに設けた「風のテラス」で、沖縄の郷土料理にちなんだフィンガーフードと食前酒を楽しみながら、薄暮の時間を満喫し、ゆるりとディナーに向いましょう。

 コース最大の特徴は、肉や魚介ではなく、植物由来食品を主材料とし、島の暮らしで大切にされてきた、豆や芋、ハーブなど、畑の素材を生かしたメニュー。

 例えば、前菜の「Deatsのクネル シェーブルクリームソース」は、大豆とこんにゃくで作られる次世代フェイクミートのDeatsに、かつて沖縄で盛んに栽培されていたキャッサバの粉(タピオカ粉)や豆乳などを合わせ、これまでにない味わいと新食感のクネル。島では馴染みのある山羊食文化にヒントを得たシェーブルクリームソースでコクと旨みを重ね、生ハムの泡を添えています。

 「豚肉のショーソン 2色のソース」は、豚肉と車海老のパイ包み焼きに、赤ワインベースのソース・シヴェと、白ワインとバターベースのソース・ブールブランを添えたひと皿。サクサクのパイ生地も最後までおいしくいただくことができます。こんな風にクラシカルで王道的なフレンチを島で食べられるなんて、うれしい驚き。

 デザートは、定番のタルトシトロンをアレンジした「タンカンのタルト ハーブソルベを添えて」。爽やかなミントベースのソルベには、長命草などの命草(ぬちぐさ=薬効のある野菜やハーブ)も使われています。

 竹富島のテロワール――天・地・人が育んだ食材が旬を迎える、冬だけの特別なディナー。この機会を逃す手はありません。

 お休み前には、プールサイドで満天の星を眺めながら行う「てぃんぬ(天の)深呼吸」に参加するのもおすすめです。

 竹富島のある八重山エリアは、日本初となる「星空保護区」に認定され、88星座中84星座が見えるほど星空が綺麗な地域。満天の星と月のパワーを感じつつ、深呼吸をしながらストレッチすることで、心身はすっかりリラックス。心地よい眠りへと誘われます。(毎晩21:15~21:45に開催)

 「夢中になるという休息」をコンセプトに、施設ごとの独創的なテーマで圧倒的非日常を提供している、ラグジュアリーホテルブランド「星のや」。国内外に展開する各施設(全8施設)は、その土地の風土、歴史、文化などの本質を知るよろこびを滞在に織り込み、訪れた人を日々の流れから解き放ちます。

 2022年6月に開業10周年を迎えた「星のや竹富島」のコンセプトは、「ウツグミ(一致協力)の島に楽土」。島で受け継がれてきたものを未来につなぎ続けるため、自然環境や伝統文化の新たな付加価値を考えながら、島とともに歩みを続けています。

 次回後篇は、翌朝の楽しみ、島固有の畑文化の継承を目指す「畑プロジェクト」などをご紹介します。

星のや竹富島

所在地 沖縄県八重山郡竹富町竹富
電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金 
◆1泊 112,000円~(1室あたり、食事別)※通常予約は2泊より
客室数 48室
チェックイン15:00/チェックアウト12:00
アクセス 石垣港よりフェリーで約10分 竹富港より送迎あり
●Wi-Fiあり
https://hoshinoya.com

次の話を読む沖縄の原風景が残る珊瑚礁の島で 10周年を迎えた「星のや竹富島」 【後篇】

Column

ディスカバリーのその先へ 星野リゾートで体験する、新しいニッポンの魅力

日本全国、その土地土地の魅力合わせた宿泊提案をする星野リゾート。その星野リゾートでの宿泊体験を通して、日本の魅力を再発見してみませんか? 

2022.12.01(木)
文=伊藤由起
撮影=榎本麻美