自分ではコントロールできない感情の揺れや、病気とまではいかない身体の不調には「自律神経」のバランスが関係していることがあります。

 忙しさのあまり、常に交感神経が優位になり「オン」のモードが抜けない女性たちへ。

 第2回の今回は、入浴法や香りの取り入れ方など、自律神経を整えて快適に過ごすヒントをお届けします。

●教えてくれたのは……
奈部川貴子さん

美容アナリスト・鍼灸師。KAOYOMIサロン主宰。ジャーナリストとして美容の最前線で肌に関する知識を深め、その後リフレクソロジーの資格や鍼灸師の国家資格を取得。顔に存在する反射区に注目した「顔のリフレクソロジー」と「筋膜リリース」を融合した独自メソッドを提案している。
https://kaoyomi.jp/


現代特有のデジタル生活は、自律神経に負荷をかける!?

 自律神経には、心身を活動モードへと導く「交感神経」と、休息モードへと導く「副交感神経」が存在します。これら2つがお互いにバランスを取り、体温の調整や発汗をコントロールして、日々の活動を支えています。

「私たちの身体は、日の出とともに活動を始め、日暮れとともに休息していた頃と、実は大きく変わらないんです。深夜まで明るく、デジタルデバイスが進化した現代の生活は、自律神経に負担をかけやすいといえます」(奈部川さん)

 特に「目」は自律神経との関わりが深く、スマホやパソコンを長時間見つめると、交感神経が優位に傾きがち。内臓が休息モードにスイッチせず、胃痛や便秘に悩まされたり、緊張感から解放されず、イライラすることも。

ツボ押し編でお伝えしたように、嗅覚や触覚などの“感覚神経”を通して、自律神経にアプローチをはかるのは1つの方法です。心地よい香りを深呼吸したり、温かさや肌に触れる感覚を通して、こわばった心身をゆるめてあげましょう」(奈部川さん)

 今回は、自律神経を整えるために、生活の中に取り入れられる簡単な方法をご提案。五感をフルに活用して、日常にリラックスのひとときをぜひ。

1:「耳たぶたたみ」で緊張をゆるめ、顔全体をパッと明るく

 仕事や家事の合間にイライラを感じたら、試して欲しいのが「耳たぶたたみ」です。耳の上下を親指と人さし指で挟み、ギューッと折りたたんで5秒~10秒キープし、そのままパッと離すだけ。この動作を左右の耳交互に3回程度繰り返します。

「耳の周囲からこめかみにかけては、脳からつながる神経が分布する重要なエリアです。“耳たぶたたみ”は、このエリアに刺激を与え、副交感神経を優位に導く働きが期待できます。緊張がゆるむと同時に、血流が促されて、顔全体もパッと明るい印象に」(奈部川さん)

2:お風呂で身体を芯から温めて「良質な睡眠」へ

 自律神経のバランスが乱れると、身体が冷えやすくなってしまいます。

「一日の終わりには、ぬるめのお湯につかり、身体を芯から温めて。入浴で体温を上げてから、徐々に身体の深部体温が下がっていく過程で、自然に眠気が訪れます」(奈部川さん)

 入浴のおともには、精油が穏やかに香り立つバスソルトをぜひ。心地よい香りを深呼吸することで、副交感神経を優位に導く働きも期待できます。就寝前のひとときに、身体も心もゆったりリラックスを。

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3:心地よい香りのスキンケアで、呼吸を深める

 2でもご紹介した通り、深い呼吸を繰り返すことで、身体を休息モードに導く副交感神経が優位になります。

「肌にやさしく触れる感触も、緊張をほぐすのに効果的。スキンケアの時間を利用して、副交感神経を優位に導いてあげましょう」(奈部川さん)

 肌のお手入れには、精油を用いた穏やかな香りのアイテムを取り入れて。肌にそっと触れ、自身を慈しみながら、心地よい香りを深呼吸します。

「呼吸を深めるには、吸うことより“吐くこと”を意識するのがポイントです。身体の中に溜まった悪いものを出すイメージで息を吐くと、自然に呼吸が深まるはず」(奈部川さん)

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2022.11.18(金)
文・モデル=宇野ナミコ
撮影=CREA編集部