秋が深まり、気持ちもゆったり。旅をしたい気分が高まってきました。

 紅葉や秋祭り、収穫のよろこびなど、日本にはたくさんの美しい秋の絶景・風物詩があります。

 そんな「秋の絶景」を集めた「いつか行きたい! 『日本にしかない風景』再発見」2021年秋篇に、新たな景色を追加して、2022年版をお届け。

 今回は、やまなし観光推進機構が選ぶ、山梨県の冬の風景5選をご紹介します。

 四季があり、自然の移ろいを感じられる日本。各エリアの観光の達人が選ぶ、その地に息づく秋の景色をお楽しみください。

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆鈴なりの甲州ぶどう

 「甲州」は、日本を代表する固有品種。800年以上前に山梨県で発見されたとされる品種で、明治時代、本格的にワイン作りが始められてから、主に白ワインの原料となっている。

 現在、甲州市勝沼町には多くのワイナリーや農園があり、甲州ぶどうをはじめとする多種のぶどうが栽培されているため、旬の時期には豊富に実をつけた房がぶどう棚いっぱいに広がる、秋色の光景を望むことができる。

 また、10月中旬頃にはぶどうの葉が紅葉し、ぶどう棚を黄色や赤色などに染め上げる。

 「山梨県はぶどうの生産量が日本一! ワインの原料にもなる甲州ぶどうの収穫が、秋に最盛期を迎えます。

 鈴なりに実をつけたぶどうが連なる様子は、山梨県の秋の風物詩です」(やまなし観光推進機構)

※見ごろの時期:10月頃

鈴なりの甲州ぶどう(すずなりのこうしゅうぶどう)

所在地 山梨県甲州市勝沼町

◆勝沼ぶどう郷のぶどう畑の紅葉

 日本を代表するワイン産地・甲州市勝沼で、平地から急斜面まで見渡す限り広がるぶどう畑。晩秋には、晴れ渡る青空にぶどう畑の紅葉の濃淡が映え、すばらしい景観を望むことができる。見ごろは10月中旬~11月下旬頃。

「ぶどうの品種によって葉っぱが黄色くなるもの、赤くなるものがあり、同じ品種でも畑によって紅葉のタイミングや濃さが異なります。その光景はまるで『紅葉のパッチワーク』。

 勝沼町のシンボルとして親しまれる『新祝橋』の上からの眺めがおすすめです」(やまなし観光推進機構)

勝沼ぶどう郷のぶどう畑の紅葉(かつぬまぶどうきょうのぶどうばたけのこうよう)

所在地 山梨県甲州市勝沼町JR勝沼ぶどう郷駅前
https://kyoto-japan-heritage.jp/story/vineyard2/

◆甲州市松里地区の枯露柿づくり

 干し柿の最高峰といわれる枯露柿の、最も有名な産地は甲州市の松里地区。11月上旬頃になると、松里地区の古民家や庭先に吊るされた、たくさんの枯露柿を目にすることができる。

「渋柿を干して脱渋した干し柿は全国で見られますが、『松里の枯露柿』は原料に『甲州百目』という400グラム以上にもなる大型の柿を使い、皮をむいて紐にくくられた状態で民家の軒先・庭先に吊るして乾燥させます。

 古民家が多く残る甲州市松里地区にあって、軒下にオレンジ色の枯露柿が吊るされる風景は、まさに『橙色のすだれ』です」(やまなし観光推進機構)

甲州市松里地区の枯露柿づくり(こうしゅうしまつさとちくのころがきづくり)

所在地 山梨県甲州市松里地区
https://www.city.koshu.yamanashi.jp/iju/54things/articles/no-118.html

2022.10.10(月)
文=佐藤由樹