実際に烏帽子山に登ってみよう!

 烏帽子山は「火山の根」といわれる海底火山が隆起してできた岩山です。火山の根とは、火山の地下にあるマグマが通る道が地殻変動などで山のように隆起して地表に現れたもののこと。急勾配で荒々しい山容が特徴です。

 鳥居の先から拝殿までは約130段の石段が続いていて、周囲に広がる豊富な自然の中に御神木の「夫婦松」や「昇龍松」などが見られます。

 さらにその先には、山の中腹にある「中之宮」まで約320段の石段が続きます。中之宮は「女宮」とも呼ばれているのですが、これは昔、女性はここまでしか登ことができなかったことの名残のようです。

 中之宮に到着すると脇に「柏槙(びゃくしん)」という樹木が立っていて、その先にある崖からは天候に恵まれると富士山の姿が眺められます。

 しかし、烏帽子山と富士山の天気はいつも異なり、なかなかお互いの姿を見ることができないそう。そのため、姉妹の嫉妬伝説ができたといわれています。

 中之宮から山道を約10分登ると、本殿に到着します。木の根が生え広がっていたり、ごつごつとした岩場だったり、崖っぷちのような足場がよくない場所もあるので、滑らないように気をつけて登りましょう。

荒々しい山道を攻略したあとには、360度見渡せる絶景が!

 山道を登りきると本殿へ到着。お参りをしてから、頂上の展望台に向かいましょう。

 本殿横に階段があり、ここを上がると展望台です。そこには遮るものが何もない、360度見渡す限りの絶景が広がっています。

 展望台からは、晴天時には富士山の眺望を、反対を向けば駿河湾と火山の根の一部でもある不思議な形をした千貫門(せんがんもん)を望むことができます。

 また、伊豆西海岸や久能山、さらには御前崎方面、遠くには南アルプスに連なる県北の山並みが眺められることも。

 本堂で拝んだあとに富士山を見ることができれば、子宝に恵まれ、末永く幸せになれるといわれています。

 ぜひ、秋のアクティビティに足を運んでみてはいかがでしょうか。

雲見浅間神社(くもみせんげんじんじゃ)

所在地 静岡県賀茂郡松崎町雲見386-2
電話番号 0558-45-0844(雲見温泉観光協会)

2022.10.03(月)
文=佐藤由樹
写真=鈴木七絵