トリュフやカラスミ、カスタード入り 中秋節に名月を愛でながら味わいたい 進化を続ける台湾の「月餅」

和菓子のような創作月餅と、お茶風味の絶品洋菓子

◆紅烏龍巧克力芭樂(紅烏龍茶＆チョコ＆グァバ味) 140元(1個)
◆奶黃流心月餅(カスタードクリーム餡) 120元(1個)
◆花好月圓(月餅セット) 700元
◆茶香禮盒(お茶風味の洋菓子セット) 880元

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　ここ数年、台湾のパンやケーキは目覚ましい発展を遂げています。本格的な洋菓子店が増えていますが、その先駆けと言えるのが「珠寶盒法式點心坊」です。ここは台湾とフランスを行き来していたオーナーが16年前に開いたお店です。

　ここでは和菓子の「桃山」の手法を取り入れた創作月餅が楽しめます。上品な甘さとしっとりとした食感で、日本人好みの味わいに仕上がっています。

　創作月餅は2種類あります。まずは「紅烏龍巧克力芭樂」。熟したフルーツのような香りがする「紅烏龍茶」に、ほんのりと酸味のあるカカオ含有率70パーセントのチョコレートを用いたもの。さらに小さくカットされたドライグァバが入っています。

　紅烏龍茶の粉は「舞間茶心」、チョコレートは「TERRA土然巧克力」といった台湾の著名ブランドのものを使用。酸味と甘みのバランスが絶妙で、これまでにない味わいの月餅となっています。

　また、アヒルの塩漬け卵を用いたカスタードクリーム餡「奶黃流心」もあります。ちょっぴり塩味のあるカスタードクリーム餡はクセになるおいしさ。こちらは電子レンジで20秒ほど温めて食べるのがベター。中からとろりとした餡があふれ出てきます。

　人気の「花好月圓」は2種類の月餅がそれぞれ2個入ったセット。店頭では1個単位でも購入が可能です。変わり種の月餅をぜひ試してみてください。

　そのほか、月餅以外に、台湾茶を用いた洋菓子セットもおすすめです。こちらは発酵度や焙煎の度合いが異なるお茶を使用し、台湾の豊かな風土を表現しています。

　クチナシの花のような香りがする「四季春茶」を用いたフィナンシェや、蘭の花のような香りの「包種茶」を用いたダックワーズ、蜂蜜のような香りがする「蜜香紅茶」を用いたマドレーヌなどがあります。ほかにも、「白牡丹茶味」のラングドシャや「碧螺春味」のブール・ド・ネージュ(丸いクッキー)、「鉄観音茶味」のオレンジケーキ、「プーアール茶風味」のフィナンシェもあります。いずれもお茶の風味がしっかりと感じられ、品のある甘さが魅力です。

 「茶香禮盒」セットには「紅玉黄茶」という希少なお茶も付いています。これは「悶黄」という茶葉を蒸らす作業が施された独特な風味を誇るお茶です。名月を愛でながら、お茶と一緒にゆっくりとお菓子を味わってみてはいかがでしょうか。

『bunshun trip e-guideときめく台湾みやげ』

CREA WEBの人気連載が電子書籍に！ 台湾茶にパイナップルケーキ、自然派コスメにかわいい雑貨まで。買いもの天国の台湾だからこそ、おみやげはセンスのいいお店で選びたいもの。そこで、台湾在住20年のコーディネーター＆ライターが台北のとっておきの「アイテム×ショップ」リストをご紹介します。これさえあれば台湾みやげは完璧です！

著　片倉真理　Kindle版(電子書籍)
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文藝春秋
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片倉真理 (かたくら まり)

台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。

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著書に『台湾探見 Discover Taiwan－ちょっぴりディープに台湾体験』(ウェッジ)のほか、共著に『台湾旅人地図帳』(ウェッジ)や、『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾で日帰り旅 鉄道に乗って人気の街へ』(JTBパブリッシング)など。最新刊は2022年1月刊行の『悠遊台湾2021-2022』。

2022.08.26(金)
文・撮影＝片倉真理