暑い日が続き、なんだか体が疲れ気味。そんな時にぴったりの、体にやさしい「腸活レシピ」を江戸料理・文化研究家の車 浮代さんが提案し、文教大学健康栄養学部教授の笠岡誠一先生に監修していただきました。

「暑い夏は,汗として流れ出た水分を補う必要があります。摂取した水のほとんどは小腸で吸収されますが、一部は大腸に流れていきます。一度に大量の水を飲めば、小腸で吸収できずに大腸に流れ込む水も多くなります。お腹がゴロゴロする原因です。

 お腹の調子が悪くなれば,せっかく食べた栄養素も適切に吸収されず、体が弱ってしまいます。腸の調子を整えること、『腸活』は夏バテ防止に役立つのです。食事からも水分を摂取し、また、腸内細菌の栄養源になる食物繊維もしっかりと摂取して元気に暑い夏を乗り切りましょう」(笠岡先生)


漬け野菜で作る“発酵ポトフ”

 乳酸菌がたっぷりの、米のとぎ汁漬けやぬか漬けにした野菜を使って、短時間でできる、旨味と栄養素が凝縮されたポトフです。

 冷たい物ばかりを食べていては良くありません。温かいポトフでしっかりと水分を摂取しましょう。キャベツやにんじんは漬物にすることで腸内細菌を増やすために大切な食物繊維を濃縮できます。さらに、漬物にすることで乳酸菌も増えてくれます。乳酸菌は腸内細菌を良好な状態にしてくれます。

 アミノ酸やミネラルなど体の調子を整える栄養素が濃縮された出汁で煮込めば、体が喜ぶ“発酵ポトフ”の出来上がりです。
 

●材料(2人前)

・ソーセージかベーコン 100g
・水 600ml
・出汁パック 1~2袋
・粗挽き黒コショウ 適量
・粒マスタード 適量
・米のとぎ汁漬け(詳細は後述)orぬか漬けなど
 ※材料は一例で、すべてを揃える必要はありません。余り野菜を加えてもOK
・キャベツ漬け 50g
・にんじん漬け 30g
・玉ねぎ漬け 30g
・ブロッコリー漬け 30g
・プチトマト漬け 3~5個
・かぶぬか漬け 30g
・干し椎茸ぬか漬け 1枚
・にんにくぬか漬け 2個

●作り方

(1)鍋に出汁を沸かし、ソーセージとすべての野菜を入れて中火で20分ほど煮る。お好みで粗挽き黒コショウ、粒マスタードを添える。たったこれだけ!

※漬物の塩分が足りないときは、塩を加えて味を調整してください。

●便利な米のとぎ汁漬けとは?

 2洗目、3洗目の濃い米のとぎ汁200mlに対して、天然塩を小さじ1の割合で溶かした漬け汁に、カットした野菜を漬けて冷蔵庫で保存したもの(ブロッコリーは漬け汁で茹で、冷ましてから冷蔵庫へ)。

 野菜がゆっくりと乳酸発酵するため、栄養価が上がり、長期保存可能。和え物、汁物、煮物、蒸し物、炒め物など、様々な料理に活用でき、時短にもなります。

ぬか漬けのワンポイントアドバイス

ぬか漬けが水っぽくなりがちな時は、干し椎茸や出汁パックを表面に乗せ、水分を吸わせると良い。ぬか床の風味が上がるだけでなく、水分を吸収した干し椎茸や出汁パックで出汁を取ると、酸味が旨みに変わって汁物がさらに美味しくなります。

[レシピ提案・調理]
車 浮代(くるま・うきよ)

時代小説家/江戸料理・文化研究家。江戸時代の料理の研究、再現(1200種類以上)と、江戸文化に関する講演、NHK『チコちゃんに叱られる!』『美の壷』『知恵泉』等のTV出演や、TBSラジオのレギュラーも。著書に『免疫力を高める最強の浅漬け』(マキノ出版)『1日1杯の味噌汁が体を守る』(日経プレミアシリーズ)など多数。
小説『蔦重の教え』はベストセラーに。西武鉄道「52席の至福 江戸料理トレイン」料理監修。新刊『江戸っ子の食養生』(ワニブックスPLUS新書)と『発酵食品でつくるシンプル養生レシピ』(東京書籍)が好評発売中。
http://kurumaukiyo.com/


[栄養管理・監修]
笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士。食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。
レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。著書に『炭水化物は冷まして食べなさい』(アスコム社)など。
https://www.kasaoka.net/