注意して欲しいのは、その大きさ。フルフラットにせずとも、なかなかのボリュームがある。このチェアを使うのは仕事部屋なので、組み立てた後に移動しようとしたら、出入り口でつっかえてしまった。いったん部屋に入れてしまえばそう動かすことはないので問題にならないが、私のように組み立てを別の部屋でやるときは注意が必要だろう。

購入後時間が経って思うこと「当たり前のことだが…」

 購入後、3週間使用してみての感想だが、まず一番に思うのは、なぜもっと早く購入しなかったのかってこと。これはゲーミングチェアに限らずだが、毎日使う重要度の高いもので、現状に何らかの不満があるのなら、少しでも早く変更した方が良いのは間違いない。ついつい、今あるものでも使えるので、買い換える優先度が下がってしまうのだが、作業の効率や身体への負担を考えたら……。

 尻の痛みがなくなって、より長い時間をモニター前で集中できるようになり、結果として仕事が早く終わるし、クオリティも上がる。腰への負担も減っているのだろう、仕事が終わった後の体の疲れも少なくなった。

 やはり通常のワークチェアとの一番の違いは、体の動きに対しての保持力のようだ。当然、ゲーム中はコントローラーを激しく操作することになるので、そんなときに、しっかりと体を安定させてくれることが重要なのだろう。

ひとつだけ問題が…

 ただゲーミングチェアの購入を考える人は、その大きさをしっかり検討して欲しい。やはりデカイ。そう動かすものではないのだが、資料探しや物の出し入れなどの時、けっこう邪魔になる。

 また家族や仕事仲間との共同スペースで使う場合は、押し出しの強い派手なデザインも含めて問題になるかもしれないので、導入を検討する際には頭に入れておいて欲しい。

 

 ゲーミングチェアのデザインは、前述の通りバケットシートを思わせる体を包み込むような形状が基本。バケットシートは本来レーシングカー向けに開発されたもので、身体のホールド性が高く、強い横揺れなどで運転姿勢を崩さないために使われる。その機能をゲーム分野に応用したのがゲーミングチェアだが、私のようなおじさんになると、何もあそこまで派手な感じにしなくても……と思わないではない。

2022.07.20(水)
文=阪口 克