「断り方も愛子さまはかなりお上手」成年会見に識者が“安心”した理由 眞子さん会見は“国民やマスコミへの不信感”が… から続く

 世界は女王の時代へ。小田部雄次氏(歴史学者・静岡福祉大学名誉教授)、佐藤あさ子氏(皇室ジャーナリスト)、君塚直隆氏(関東学院大学教授)による座談会(「文藝春秋」2022年7月号)を全文転載します。(全2回の2回目/前編から続く)

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皇室典範に翻弄された秋篠宮

――一方、秋篠宮家でも悠仁さまも高校に入学され、健やかに成長されているご様子です。現在では皇位継承順位の第2位になります。

佐藤 実は愛子さまの成年会見と同じ日の午前中、悠仁さまの通われる、お茶の水女子大学附属中学校の卒業式の取材をしていたんです。車に乗られた秋篠宮さま、紀子さま、悠仁さまが脇に並ぶ取材陣を一瞥することもなく門を入られたのが印象的で。

君塚 どなたも?

佐藤 はい。これまで常に微笑みながら会釈してくださっていた紀子さまも、鋭い目つきでまっすぐ前をご覧になったままでした。眞子さんのこともあって報道陣とは目を合わせたくなかったのかもしれません。だから余計に、同日の成年会見での愛子さまの穏やかなご様子にホッとしたのは事実ですね。

君塚 筑波大学附属高校へのご入学についても憶測が飛び交いましたし。「特別扱いじゃないか」とか。

佐藤 私は特別扱いも構わないと思うのです。皇族なのだから。ただ国民に疑念を抱かせぬよう、堂々と説明をすればいいと思うんです。問題なのは説明が無いと、国民の心中に不審や不満が澱のように溜まってしまい、いつか悠仁さまが皇位を継承された時に噴出するのではないか、国民との乖離につながるのではないかと、そう危惧します。

小田部 秋篠宮さまは、もともと次男として自由にお育ちになったのに、悠仁さまがお生まれになって以降、急に厳格な振る舞いを求められてお気の毒だとも思います。

 娘たちにも好きなことをさせてあげていましたが、ブレーキをかけざるを得なくなった。佳子さまは小さなころからフィギュアスケートをやったりダンスをしたり、これまでいらっしゃらなかった、面白い内親王になられると思っていたのですが。率直に言えば、この20年の皇室は、皇室典範、とくに「男系男子への固執」によって混乱してきたのだと思います。いちばん翻弄されたのが、秋篠宮家だったのかもしれません。

2022.07.04(月)
文=「文藝春秋」編集部