歩く順序も逆転し……
君塚 王位継承において次男が抱える特有の苦悩というのはどこの王室にもつきものなんですよね。
小田部 しかも、秋篠宮は40歳を過ぎたところで、「将来の天皇の父」という生き方を求められるようになりました。もともと皇位継承の第2位だったわけですが、これにより国民の見方は変わってきました。
君塚「悠仁さまの姉」ということでなければ、眞子さんの結婚もここまで問題視されなかったかもしれませんからね。
佐藤 そう思います。家庭内の序列も変わったように見えました。2013年、留学中だった眞子さま以外の秋篠宮ご一家の4人で、伊勢神宮に参拝されたとき神宮の中を殿下、紀子さま、佳子さま、悠仁さまの順で歩いていたんです。父、母、姉、弟の順ですよね。
それが2018年、インドネシアとの国交樹立60周年を記念したコンサートを訪れられた際には、車から殿下、悠仁さま、紀子さま、佳子さま、眞子さまの順番で降りて来られた。お出迎えの方々への挨拶も悠仁さまがお姉さま2人より先でした。もちろん、皇位継承権を持つ悠仁さまが公の場で先に挨拶するのは当然といえば当然ですが……。
君塚 家庭内では完全に男女が逆転してしまっているわけですね。
小田部 もともとサングラスをかけて、タバコを吸い、外国車を運転する、といった自由奔放なところが魅力的だった秋篠宮さまですから、窮屈なことも多いでしょうね。
「本音」を望む国民たち
君塚 次男といえば、英国のヘンリー王子です。ご存じの通り、2020年3月に英王室を妻のメーガンとともに離脱したわけですが、彼も自分のアイデンティティーについて悩んでいたのだと思います。先日は米カリフォルニア州サンタバーバラ郊外の自宅でネットフリックスのドキュメンタリー番組の撮影を行っていると報じられていましたが……。
やはり「ダイアナ非業の死」というのは英王室にとっては大きな転機になりましたね。
小田部 あれは1997年ですから、25年も前になるのですね。
2022.07.04(月)
文=「文藝春秋」編集部