図のように、洗剤の「親油基」が油に付着して((2))、油の回りを囲むことで((3))、接着している面から油が剥がれる((4))。これによって、油汚れを洗い流すことができます。

 ちなみに、洗剤の「泡立ちの度合い」と「汚れを落とす効果」に相関関係はありません。洗剤は“泡立たなくても”汚れを落とす効果があり、“メイク落としのオイル”などはそういった効果を使っています。

シャンプーは何プッシュが適正? 

 ベストなプッシュ数は「ちゃんと泡立つぐらい」です。

 ちなみにシャンプーの量が多くても、髪の毛に悪影響はありません。ですが必要以上に泡立ったシャンプーは、流すのが大変になり、コスパが悪くなります。

 また、しっかり流し切らないと、頭皮や髪の毛にシャンプーが残留してしまい、結果的に悪影響になります。ですので、日々使いながら、適正量をコントロールしましょう。

 

 では、具体的にお風呂場でどうすればいいのか? シャンプーの泡立ちが良くなる方法を、3つご紹介します。

(1)シャンプーをつける前に、シャワーでよく流す

 シャンプーを付ける前には、シャワーでしっかりめに髪の毛を流しましょう。すると、泡立ちは格段に良くなります。チャチャっと濡らすだけではなく、頭皮を軽く擦りながら全体を流しましょう。

 ポイントは、髪にしっかり水分を含ませることです。界面活性剤は親水基の力で泡立っているので、しっかりめに流すことで泡立ちがよくなります。

(2)シャンプーは頭皮に付ける

 手に取ったシャンプーは、頭皮に付けるようにしましょう。1箇所に全て付けず、3、4箇所に分けて付けた方が効率的です。

 髪の毛の汚れは、泡が触れる程度でも落ちます。髪を擦りあわせる洗い方は間違いです。キューティクルに摩擦が加わり、髪が痛んでしまうので、軽く揉んで泡立てる程度にしましょう。

正しいシャンプーのやり方に関しては、前にもお話ししています↓
https://bunshun.jp/articles/-/52731

 

(3)全然泡立たない場合は2回目

 汚れが多くて泡立たない場合、シャンプーを足しても泡立たないことがほとんどです。その場合は、シャワーでざっと泡を流して、2回目のシャンプーに突入しましょう。

 2回目のシャンプーをすることを、業界では「ツーシャン」と呼びます。1回目で大方の汚れは取れているため、2回目はとてもよく泡立ちます。そのためシャンプーの量は半分以下でもいいほどです。その際、シャンプーを付け過ぎると、泡を流し切るのが大変になります。シャンプーの量には注意しましょう。

 いかがでしょうか。普段のやり方は間違っていませんでしたか? 簡単なことですが、ぜひお試しあれ。

2022.06.26(日)
文=操作イトウ