日本一級の湧出量を誇り、レモンのように酸っぱい強酸性の湯が湧く沼尻温泉。ここ沼尻で始まった、国立公園内の山奥の源泉地まで歩いて向かい、川そのものが温泉という“野湯”に浸るという「エクストリーム®温泉」に注目が集まっています。
» 今年の夏は大地の恵みを感じつ冒険の旅へ、“川に浸かる”温泉・沼尻温泉に出かけよう! はこちら
エクストリーム®温泉の前夜は、源泉地に最も近い宿で英気を養うのがおすすめ。世界を旅した登山家の気配を感じながら、山の空気と恵みを享受する宿「沼尻高原ロッジ」をご紹介。
緑なす名峰に囲まれ白濁の湯に癒やされる
![田部井さんが生涯愛したロッジ。世界の山々を登っているときも、ここに帰ってくることがモチベーションだったという美しいロケーション。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/1280wm/img_66e54546048537c04decb8a2c6e6058c130410.jpg)
磐梯山に安達太良山など3つの百名山に囲まれた三角屋根の可愛いロッジ。ここはかつて女性として世界初のエベレスト登頂を成功させた、アルピニスト・田部井淳子氏がオーナーを務めていた宿。
![抜け感があって気持ちのいいロビー。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/b/1280wm/img_eba7590dbd1bb26d0c247c36e4a1a161107429.jpg)
![レトロでいてモダンなステンドグラス、田部井さんの愛した世界の民芸品など、画一的なホテルにはない調度品がロッジの魅力を引き立てる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/1280wm/img_2183e9242c5369ce448dc051557d0d02106817.jpg)
その山荘の雰囲気を残しつつ、2019年に居心地のいい上質なロッジとして生まれ変わった。暮れゆく山々や星空を眺めながらウッドテラスでワインを楽しんだり、ふかふかのベッドで読書に没頭したり。
![自宅のようにくつろげるラウンジでは、夜はワイン、朝はコーヒーやお茶がフリードリンク。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/1280wm/img_c545aa46507513115fd89ba56be078b789280.jpg)
部屋にはあえてテレビも時計もないけれど、だからこそ太陽が沈めばくつろぎ、朝日ととともに目覚めて風の音を聞く。どこか自由で自然と一体になれる、ホテルでも旅館でもない独特の空気感。
![人類初のエベレスト登頂者・ヒラリー卿が泊まった部屋。山小屋らしい風情と窓外の景色が楽しめる。33,000円~。ベッドはシモンズ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/1/1280wm/img_b1478f1b397285e94488aad27e451396117287.jpg)
![部屋ごとに異なるオリジナルのデスクやチェアもいい感じ。ワーケーションにも。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/1/1280wm/img_6175a5a8ab6ecdc24149f734414e6848139753.jpg)
なにより嬉しいのは100%源泉かけ流しの美しい白濁の湯。レモンにも匹敵するpH2.1の強酸性温泉で、美人の湯の素となるメタケイ酸がたっぷり。薬湯と称される濃厚な温泉で、ひと皮むけたみたいにつるりとした肌に生まれ変われる。湯に、山の気配に、時間を忘れてじっくり浸りたい。
![温泉付きの部屋も。スイートルームは源泉かけ流しの半露天風呂付き。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/1280wm/img_47e17c9ea2aa77a0cb7d696e15de1071197363.jpg)
●湯冷ましつぶやき
館内には田部井淳子さんが世界中で買い集めた山にまつわるアートや個性的なオブジェが飾られており、旅気分が盛り上がる。お気に入りを見つけよう!
沼尻高原ロッジ
所在地 福島県耶麻郡猪苗代町大字蚕養字沼尻山甲2864
電話番号 0242-93-8101
宿泊料金
◆1室1名利用時の1名最低料金 (平日)29,700円~(休前日)35,200円~
◆1室2名利用時の1名最低料金 (平日)18,700円~(休前日)24,200円~(すべて入湯税別)
ひとり対応 通年
客室数 12室
食事 夕:食事処/朝:食事処
チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00
アクセス JR猪苗代駅より車で20分。送迎あり(要予約)
https://www.numajiri-lodge.com/
●Wi-Fiあり
2022.06.11(土)
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Takashi Shimizu
CREA 2022年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。