業界では「アウトバス(out-bath)トリートメント」と呼びますが、一般に認知されている名称ではないため、「洗い流さない」と文字数の多い呼び名がよく使われています。
ですがその呼び名のため、誤解を受けやすい注意点が2点。
1.お風呂で使うトリートメント(「インバス(in-bath)トリートメント」と呼びます)やコンディショナーとは別物です。そもそもの用途が違うため、洗い流さないトリートメントで代替できる、というものではありません。
2.洗い流さないトリートメントはオイル状のものも多いのですが、「ヘアオイル」とは別物です。ヘアオイルを濡れた髪に付けて乾かそうとすると、油膜が邪魔して乾きにくくなります。
- ヘアオイル
オイルの油膜を髪に張ることで艶感やしっとり感、束感を演出することができます。セット力はありません。
付ける量によって濡れたような質感にでき、近年のヘアスタイルのトレンド傾向と合致しているので、定番化しています。オーガニック系コスメの流行もあり、スキンケアと併用できる商品も多くあります。
「バーム」「ヘアバター」もこちらに該当します。これらは固形の油で、手に取ると体温で溶けて液体になります。呼び名の違いは商品の印象付けを狙ったもので、製品としての違いはありません。
「椿油」もこれに属します。「椿油」はもったりと重たい質感になりやすく、髪に蓄積しやすい特徴があります。
椿油はシャンプーでも流れにくいので、毎日付けると重たくなり過ぎてしまうこともあります。そのため、アジアンビューティーな黒髪ロングには適していますが、動きのある軽やかな髪を求める方には、適していません。
セット力のある「ワックス」「ヘアクリーム」「グリース」「ジェル」
- ワックス
ふんわり感や束感をキープするセット力を持つため、ショート~ミディアムに適しているスタイリング剤です。そのため男性が利用することが多いです。
ワックスは、セット力に比例して番号付けされ、商品の多くは1から10に向かってセット力が強くなります。例えば、10のハードワックスは、一度付けると指が通らないほど硬くセットされるようになります。そのため髪質やヘアスタイルによって、美容師がオススメする種類が変わることが多いです。
2022.04.29(金)
文=操作イトウ