コスメの誕生には必ず、ストーリーがある。そんなコスメのバックボーンやこだわりを、25年間美容を取材し続けてきたエディターの大塚真里さんが深堀りします。
読んだ人の美容の扉を開く「BEAUTY DOOR」。今回は、炭酸美容のパイオニアがたどりついた、炭酸ヘッドスパシリーズをご紹介。
炭酸の力を美容に取り入れたパイオニア
体が芯からぽかぽかに温まる、炭酸入浴剤を入れたお風呂。この効果に着目し、約25年前、専門機関で床ずれや皮膚末端の冷えによるトラブルに悩む人のケアに炭酸を取り入れたのが、医学博士の日置正人氏だ。
放っておくと空気中に放散してしまう炭酸を肌に届けるために、炭酸を閉じ込められる粘度をもつジェルパックを発案。
その開発中、使用感確認のため片頬だけにパックを使い続けていたところ、2か月後、塗っていた側の肌が艶やかに引き締まっているのに気づいたという。今でこそ当たり前になっている炭酸と美容との関係は、この日置博士の発見が始まりだったのだ。
そして1997年、世界初の炭酸ジェルパックを開発。その後、一般の人にも使いやすく製品化したブランドとして「ドクターメディオン」が誕生した。
使う前に2つの剤を混ぜて炭酸を発生させ、たっぷりの炭酸を含んだジェルを肌に塗る。エネルギー代謝に欠かせない酸素を供給する炭酸で包み込むことで、いきいきと健やかな肌に。まさに本質的な美肌ケアで、あれこれコスメを使っても悩みが尽きない人はとりあえずこれ一品を取り入れれば早いかも。
2種の剤を混ぜる手間は実際にやってみると炭酸を生み出すワクワク感に変わり、20~30分間おくのも本格スペシャルケア感があっていい。その底力を知る女優や美容家、ジャーナリストなどから支持され続けているロングセラーアイテムだ。
この炭酸の効果。いきいきと健やかな肌を保つという働きは、髪という組織を生み出す場所である“頭皮”にとっても魅力的であるはず。
日置博士は約25年前の炭酸研究当初から、頭皮への応用に着眼していたという。ただ、顔用パックに使用している炭酸を閉じ込めるためのジェルは硬めで粘性もあり、頭皮に使うのは難しい。とはいえ粘性を下げると、気体である炭酸を閉じ込めておくことができず、塗ったそばから空気中に逃げてしまう……。
日置博士が辿りついたのは、濃密な泡という形状だった。
泡パックは珍しいものではないけれど、こだわったのが炭酸ガス100%の濃密な泡。頭皮に高濃度の炭酸を届けながら、汚れも浮かせて落とし、さらに潤いも与える3in1のアイテムとして、週1~2回使うスカルプパックとデイリーに使うシャンプーを完成させた。
ヘッドスパを受けたように爽快で、髪もしっとり
まずユニークなのがスカルプパック。高濃度な炭酸泡に、皮脂や汚れを吸着するベントナイトというクレイを配合してクレンジング力をアップ。
頭皮にたっぷりなじませて2~3分おき、すすぐとじんわりすっきり、心地よい感覚が巡る。シャンプーは低刺激処方ながら炭酸の力でベタつきや汚れを爽快に洗い流し、泡立てによって髪や頭皮に負担をかける心配もない。
さらに、炭酸で清潔になった髪の仕上げとして、潤いを補ってふんわり仕上げる高保湿トリートメントもあり、3品で「ドクターメディオン ヘッドスパシリーズ」として誕生。それぞれ異なる天然精油の香りも心地よく、ただ頭皮と髪を洗っただけで、頭も気分もヘッドスパを受けたかのよう。
外出規制の状況が様々に変化する今だから、おうちで自分を癒やせるこんなケアアイテムを常備しておきたい!
メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ
フリーダイヤル 0120-468-121
https://www.dr-medion.net/headspa_lp/
大塚真里(おおつか・まり)
エディター。出版社に編集者として勤務後、化粧品メーカーのクリエイティブ担当を経て独立。雑誌編集や広告制作など活動中。自著『キッチンには3本のオイルがあればいい』、『肌がきれいになる』(ともに小社刊)など書籍も多く手がける。
Column
大塚真里の美容の扉
コスメの誕生には必ず、ストーリーがある。そんなコスメのバックボーンやこだわりを、25年間美容を取材し続けてきたエディターの大塚真里さんが深堀りします。
2022.04.19(火)
Composition & Text=Mari Otsuka
Photographs=Kenichi Yoshida