仕事を手放す怖さはない
――大きな課題というのは、具体的にどういったことですか?
スー 今までは、ゴリゴリと仕事することが人生の幸せとほぼイコールだったんです。けど、このままのペースで仕事を続けると人生がどんどん削られていくなと感じたので、働き方を変えなきゃとは思っています。
――そのために取り組もうと思っていることは?
スー やりたいことを増やすのではなく、何をやらないかを選ぶということですよね。仕事は半分から3分の1くらいにしないと時間が確保できたとは感じないだろうから、どうしようっていう感じですけれど。
――仕事を手放す怖さはないんですか。
スー ない!
自分を信用している
――即、断言されましたね(笑)。今やっている文筆業やラジオパーソナリティという仕事への執着も?
スー それもないっていうか。とにかく毎日、一生懸命やるしかないっていうのが結論としてはあるし、よほど大きな怪我とか病気とかしない限りはなんとかなると思ってるところがあるんですよね。例えば、コンビニで商品を売るような仕事に就いたとしても、「店長! 導線を変えましょう!」とか言い出すんですよ、私は。「レジ前の陳列を変えて、客単価を上げましょう。地域1位の売り上げを目指しましょう!」とか絶対にやり出します。そういう意味では、自分を信用してますね。
(撮影:榎本麻美/文藝春秋)
『ひとまず上出来』特設サイト
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ジェーン・スー
1973年、東京生まれ東京育ちの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ
TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文春文庫)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮文庫)、『私がオバさんになったよ』(幻冬舎文庫)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『女のお悩み動物園』(小学館)、高橋芳朗との共著に『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない 愛と教養のラブコメ映画講座』(ポプラ社)など多数。
「譲りたくないという気持ちで熱中して書いたのは久しぶり」ジェーン・スーの“表情が変わった”推しと過ごした1年 へ続く
2022.02.01(火)
文=高本亜紀