ネガティブなことに時間を使うのが、あまり得意じゃない
――「おわりに」にて、体の変化を“第二の思春期”と称していたのは印象的でした。
スー そうなんです。俗に言う更年期障害による不定愁訴とかメンタルの乱れなんだと思うんですけど、思春期の感覚と似てるから、“2回目の思春期が来た! わははー!”って言ってます。
――ネガティブに捉えがちなことを、明るく捉えるってすごく素敵ですね。
スー ネガティブなことに時間を使うのが、あまり得意じゃないのかも。私自身、ネガティブでい続けるのは潜水しているより辛いんですよ。ネガティブの海に沈んでいると、はーーって息を吐きたくなるし、すぐ海面に上がってきちゃうと思う。もちろん、ネガティブに思うことがないわけではないんですよ? うじうじしたり、こんな私が……みたいなことを思ったりしないわけじゃないんですけど、その時間が保たない。悩んでた次の瞬間には、栗蒸し羊羹食べたいなぁって思っちゃってます。
50歳からの10年をどうやって働いていくか
――例えば、マックスでネガティブな時はどうなるんですか?
スー ずーっとソファで寝てるくらいじゃないですかね。ネガティブでずーっと居続けられないし、ネガティブでずっといる感じもすごく嫌だから、出かけたりして気を逸らします。昔はそうじゃなかったのかもしれないけど、今はすべてにおいて等しく集中力がなくなってるから、後ろ向きでいる集中力もなくなってるんでしょうね。自分自身にそこまで長く興味を持てないですし。
――そういう思考のスーさんでも、コロナ禍は自分自身を見つめるしかなかったと。
スー 強制的にすべてを停止せざるを得ない状況になってしまうと、考えざるを得なかったですね。で、ウォーキングしたり、ちょっと遠いスーパーに電動自転車に乗って行ってみたり、自炊をしたり、配信動画を観たり、友達とリモートで話したりしているうちに、“あぁ、人間らしいな”と思ったんです。今は仕事は100%戻っちゃって……残念! で、50歳からの10年をどうやって働いていくかっていう大きな課題が残りました。
2022.02.01(火)
文=高本亜紀