普段は、御所の自室のパソコンの前に座り、レポートや課題に取り組まれる毎日だという。この2年間、私的外出をなさることもなく、大半は御所内で日本の歴史や文化についてネットや書斎で調べ物をなさっているそうだ。最近では勉強に熱が入って職員でさえも、御所の中で愛子さまのお姿を見かけないといった声が聞こえてくるほどだ。
愛子さまの将来の夢は「やさしい学校の先生」
愛子さまの歴史や古典へのご関心は、初等科時代から高かった。学究肌は陛下譲りで、分からないことは時間をかけて納得するまでお調べになるという。
日本の古典に興味を持ち始めたのは、4年生の頃だったといわれた。ご卒業直前に編まれた文集「小ざくら」には、愛子さまの歴史研究レポートが4ぺージに渡って掲載された。タイトルは「藤原道長」。平安時代中期に摂政などとして、権力をふるった貴族。なぜ道長をテーマにされたかについては、
〈授業で藤原道長について学習している時に、「御堂関白記」に少し触れ、また、学習する前にも新聞で「御堂関白記」がユネスコの記憶遺産に登録されたという記事を見たので、一度実物を見てみたいと思った。それで、夏休みに、東京国立博物館で開催された特別展「和様の書」に行き、「御堂関白記」を見て、これほど古い日記がよく残っているものだと驚いた。そこで、この日記を書いた藤原道長について詳しく知りたいと思い、調べることにした〉
とお書きになっていた。
愛子さまが初等科1年生の時に作文で書かれた将来の夢は「やさしい学校の先生」。陛下も初等科卒業時の文集の中で「21世紀からこんにちは」と題して、「大学の先生」になるとお書きになっている。
〈みなさん、お元気ですか。わたくしは、今、大学で、日本史を教えています。この間、学生たちに美しい平城京の姿を知ってもらいたいと思い、奈良に行ってきました〉
皇太子として、将来の天皇になることはご自覚なさっていただろうが、夢として希望を持たれるほど学究肌だった。そして学習院女子大学で講義される機会を持たれ、大学の先生になるという夢も実現されている。
2022.01.03(月)
文=友納尚子