9.誕生日は特別な日 でもクリスマスは……

Q.誕生日のプレゼントに子どもが不満そうでした。

A.子どもにとって1年のうちで自分だけのビッグイベントですから大事にしてあげましょう。

 他のきょうだいの誕生日のプレゼントと比べているのでしょうね。「なぜ、僕のプレゼントは、お兄ちゃんの時のものより安そうなものなの?」とか思っているのではないですか? 誕生日というのは、子どもにとって1年のうちで自分だけのビッグイベントですから大事にしてあげないといけないのです。

 クリスマスは、みんな同時のイベントなので、誕生日に比べると少し重要度は下がります。とにかく、プレゼントの選定には気を遣いますよね。年齢によって喜ぶものは違うし、その時に流は行やっているものも変わってくるし、値段が大きく違うのも見たらすぐわかるし、毎回プレゼントには頭が痛いですよね。

 私は、さまざまなシミュレーションを頭の中でした結果、誰かの誕生日には同じプレゼントを人数分買って子どもたちみんなに渡すことにしました。例えば長男にあるおもちゃをプレゼントしたとします。子どもは新しいものが大好きですから、他の子どもたちは長男がもらったプレゼントが珍しくてたまりません。だから、そのプレゼントを「後で貸して」と長男に頼みますが、長男は自分がもらったものなのでしばらくはそれで遊びたくて、なかなか貸そうとはしないでしょう。他の子どもは、長男が楽しそうに遊んでいる様子を指をくわえてしばらくは見ているという状況になりますね。その様子はかわいそうではないですか? 

 しかも、きょうだいが4人だったら、いつも誰かの誕生日には、幸せな人間が1人、楽しくない人間が3人ということになります。そうなるとプレゼントは罪作りなものとなります。そのことを避けたかったので私は誕生日には本人と同じプレゼントを他の子にも渡すことにしていたのです。だから、我が家の子どもたちは、自分の誕生日だけではなく、他のきょうだいの誕生日も本当に楽しみにしていました。多少お金はかかりますが、子どもたちの心に残る楽しい思い出を作るためには、お金には代えられないと思います。

2021.10.19(火)
文=佐藤亮子