要するに、人間は食べていくのが一番大変なので、誰かに食べさせてもらいながら自分だけが「夢を追う」のは卑怯な考え方です。地味な仕事でも人の役に立ちながら額に汗して生活費を稼ぐことは非常に尊いことを忘れないように。やるべきことは自分のできることを増やすために学校に行ってどの分野にも応用が利く学力をつけるということでしょうか。

 中には、スポーツや芸術で成功する人も実際にいますから断言はできませんが、常に夢破れることを念頭にうかべ、どちらに転んでもいいようにはする必要があるでしょう。そんな中途半端な考えでは一流にはなれないと言う考えもあるでしょうが、親をはじめ周りの人たちに迷惑をかけることは大いにあることは忘れずに。どちらにしても、つぶしのきく最低限の学力は必要でしょうね。「夢を見ながらとりあえず勉強しなさい」と子どもに話しておいてください。

 

8.とにかく親は落ち着いて理論立てて話すこと

Q.子どもをどのように怒ればいいのかわかりません。

A.感情的に怒らずに、落ち着いて考えて子どもに説明して納得させることが大事です。

 親が感情的に怒らないということが一番大事です。子育て中は、常に睡眠不足で、思い通りにできない家事、自分の時間が持てない、体力を使うということがお母さんを精神的に辛くしていますし、本当に日々体力的にも疲れているかと思います。お母さんがそのような状態だと、子どものちょっとしたことに腹が立って子どもにとって理不尽な怒り方をしてしまいがちです。カッとなってしまいそうなときには、まず口を閉じて鼻から大きく息を吸いましょう。口を開けると子どもを傷つけてしまうようなとんでもない言葉を吐いてしまいますから、まず落ち着くことです。親はそもそも、何十年も早く生まれているのですから小さな子ども相手に感情的になるのはカッコ悪いです。

 怒りたくなることが10個あったら、本当に怒らないといけないことはその中で1個あるかないかです。声の大きさにも注意が必要ですね。特にお父さんは、大きな声で恫喝するような怒り方になりがちなので気をつけてください。自分は父親なのだからそのような態度に出てもいいと思っていますが、子どもから見てもとても知的には見えないし、ましてや尊敬できる大人にはとても思えません。お母さんは、怒ると甲高い声になりがちです。簡単に言えば「キャンキャン」という感じに聞こえます。そのような言い方で何を言っても、残念ながら子どもの心には響きませんね。とにかく、親は落ち着いて理論立てて、親の考えることを説明し子どもを納得させなければなりません。何はともあれ、感情的になることは避けることにしましょう。

2021.10.19(火)
文=佐藤亮子