2.5次元ステージなどで活躍中の北村 諒が、映画『ゴーストダイアリーズ』に主演。過去に演じてきた人気キャラのほか、本作が初共演となった日向野祥との関係性にも迫ります。
●サロンモデルから俳優の道へ
――幼い頃に持っていた夢は?
保育園に通っていた頃は、戦隊ヒーローの「ビーファイターカブト」になることでした。
小学生のときは、特になかったのですが、中学生になるとクルマ好きになったこともあり、カーレーサーになりたいと。それが無理なら、整備士や保育士になりたいと思っていました。
――大学時代に、サロンモデルを始められたことを機に、読者モデルになられます。
サロンモデルを始めたのは、街中で美容師の方に声をかけてもらったのが、きっかけです。
その後、読者モデルをやっているときに千葉雄大くんと一緒にファッションショーに出ることになったんですが、千葉くんのマネージャーさんから「お芝居とか興味ある?」と声をかけられたんです。
実際にはあまり興味がなかったのですが、どこか挑戦したい気持ちもあって、「あります!」と答えたことが、この業界に入るきっかけになりました。
――そして2012年、ドラマ「黒の女教師」や舞台「闇の皇太子」に出演されます。
「黒の女教師」には、第一話にチラッと出ることができたんですが、あまりにも芝居が下手すぎて反省しました。今でも恥ずかしくて、見ることができませんね。
その後、「闇の皇太子」に出演することになったのですが、とにかく稽古が嫌でした。舞台のことを何も知らないこともあり、怖かったんですね。
でも、本番を迎えて、実際にお客さんを目の前にしてお芝居していくことで、だんだん楽しくなっていったことを覚えています。
●「弱虫ペダル」を機に、2.5次元のステージへ
――その後、自身にとって、転機となった作品は?
箱根学園の東堂尽八という役を演じさせてもらった「弱虫ペダル」(14年)です。多くのみなさんが知っている人気作品ですし、いろんな出会いがあったり、自分の考え方や役に対する向き合い方、演劇の面白さを学んだりしたと思います。
前任の玉城裕規くんから役を引き継いだので、大きなプレッシャーでしたが、周りのチームメイトに助けられながら、とにかく全力でぶつかっていこう、と思えるようになりました。
なので、本番を迎えて、お客さんがだんだんと受け入れてくださったときは、ホッとしましたし、嬉しかったです。
――その後、「刀剣乱舞」(16~21年)で演じられた薬研藤四郎も人気を博します。
初演は薬研藤四郎が大きく関わる「本能寺の変」の話だったこともあり、思い入れは大きかったですし、キャラクター自体は感情を表に出さなかったり、多くを語らず、一歩引いた目線なのですが、刀目線の織田信長や歴史を面白く感じながら演じていました。
『映画 刀剣乱舞 -継承-』(19年)にも出演させていただいたのですが、舞台キャストが、ほぼそのまま同じ役を演じられたことは嬉しかったですし、リアルなお城や自然をバックにアクションができたのも、とても新鮮でした。
――さらに、「あんさんぶるスターズ! オン・ステージ」(16~18年)では、自称・女王(クイーン)の鳴上嵐を、「おそ松さん on STAGE~SIX MEN'S SHOW TIME~」(16~20年)では一松を演じられました。
鳴上は声を荒げるようなタイプではなく、とても繊細なキャラクター。なので、仕草だったり、言葉遣いや声のトーンなど、自分のなかにある柔らかさみたいなものを大切に演じました。
一松は個人的に、やりやすいキャラだったと思います。僕自身もグイグイ前に出る性格ではないですし、隅っこで、みんなを見守っている感じの人間なんです。猫好きですし(笑)。
そういう意味では、とても親近感が湧いていました。
2021.09.10(金)
文=くれい響
撮影=深野未季
スタイリスト=森内陽子
ヘアメイク=芝原睦美