友人のおじいちゃんだったんです。友人が祖父の事務所を整理するから手伝ってくれと頼まれて行ってみたら杵島先生の事務所だったという。それが縁で写真を褒めてもらって。

 僕、一度だけサラリーマンやったんですけど、辞めて杵島先生に弟子入りをお願いしたら「写真学校を出てないヤツは弟子に取らないんだ。勝手にやれ」って(笑)。しょうがないから、ありとあらゆる雑誌の編集部に売り込んで今に至るって感じです。自分では意識してなかったんですけど、“キッチンミノル”という名前のおかげで料理の写真も頼まれるようになりました。

――『たいせつなぎゅうにゅう』で“しゃしん絵本作家”という地位を確立しましたが、次のテーマは決まっていますか。

 次は食材ではなく、航空整備士さんをテーマにしたしゃしん絵本を出せたらいいなと思って動いています。飛行機が飛ぶのにも多くの人が関わっていて、普段は目にすることがないじゃないですか。そこをお見せできたらなと。

2021.08.25(水)
文=平田裕介