確かに言葉使いに関しては賛否両論あるかもしれないが、彼が発する言葉はどれも素直に出た選手へのリスペクトであるし、アナウンサーに解説を求められた時は、今何をどうやって、どのように難しいからこういう得点なんだということを、非常に丁寧に分かりやすく説明してくれていたと思う。初めて見た方でも非常にわかりやすかったのではないだろうか。

 それに筆者は彼とは何度も一緒に仕事をしたことがあるのだが、あんなフランクな言葉や写真のようなユニークな表情からは想像できないほどに、心優しく実にしっかりとした青年であることも知っている。ただバックグラウンドがスケートボードカルチャーというだけで、解説の印象もここまで変わってきてしまうのである。

 一聞すればチャラく聞こえるが、全体を通して聞くとものすごく心地いい。これは堀米雄斗が世間一般のスケートボードに対する偏見を変えてくれたことと同様、いや人によってはそれ以上に好印象を受ける出来事だったのかもしれない。

 東京五輪に向けてスタートをきった6年前に同じ写真に収まった2人は、違う立場になっても、それぞれがそれぞれの形でスケートボードの魅力を日本中に発信してくれた。

 なお、本日25日は男子ストリート、8月4日には女子パーク、5日には男子パークと、オリンピック新競技・スケートボードはまだまだ続く。今後もスケートボードから目が離せない。

2021.08.03(火)
文=吉田佳央