海外から韓国に戻る定番手法で人気を得た「ATEEZ」
「第4世代」が海外での活動に力を入れるのには、韓国ではいまだ「第3世代」アイドルに人気が集中しているという事情もある。国内での競争を避けて、海外で先に人気を集めてから韓国に戻ってくるという手法が「第4世代」の定番となっている。
2018年10月にデビューした8人組のボーイズグループ「ATEEZ(エイティーズ)」も、韓国より海外で先に人気が出たケースだ。
パワフルなダンスにリアルな演技など、強烈なパフォーマンスが自慢のグループで、「グローバルパフォーマンスドール」と呼ばれている。ATEEZはデビューして間もない2019年3月から、アメリカ5都市、ヨーロッパ10都市など世界中を舞台に巡回公演を行い、2020年にはアメリカで「最も多くツイートされたミュージシャン」の5位を占めるなど、巨大なグローバルファンダムが形成されつつある。
2018年3月にデビューしたJYPの8人組ボーイズグループ「Stray Kids(ストレイキッズ)」は、メンバーが曲作りや編曲にまで参加するセルフプロデュースで、独特な音楽世界を作り上げる実力派グループだ。
他にも、BTSの弟グループとしてデビューと同時に「第4世代」アイドルの代表グループになった「TXT(トゥモローバイトゥギャザー)」、「NCT」、ガールズグループの「STAYC(ステイシー)」も、韓国では注目度が高い。
アイドル専門メディアの『アイドルロジ』によると、2019年に96組、2020年にも34組のアイドルが新たにデビューした。さらに、2021年下半期には、大手事務所ハイブによるBTSの“女性版グループ”やYGによるBLACKPINKの“妹グループ”など、大型ガールズグループのデビューも控えている。
BTSやBLACKPINKの人気が強い韓国で、彼らの時代は来るか?
いまはBTS、BLACKPINKが全盛だが、「第4世代」がK-POPの中心に立つ日はくるのだろうか。「第4世代」時代の幕開けには、多少時間がかかるとの見通しもある。
2021.06.22(火)
文=金 敬哲