1.代謝の落ちる30代こそ“脂肪を燃やす熱源”筋肉を鍛えよう
「筋肉は体の熱産生の60%を担っています。熱源が大きくなれば、それだけ脂肪が燃えやすくなる。実際、筋トレ後は基礎代謝量が上がることもわかっています(グラフ2)」。代謝の落ちる30代こそ、筋力アップで熱源を大きくすることが最優先。ジョギングのような少量ずつ脂肪を燃やす有酸素運動より、数倍も近道で効率的!
グラフ1:18歳前後を境に基礎代謝量は低下の一途!
グラフ2:筋トレをすると基礎代謝量は格段にUP
2.ダイエットの繰り返しもやせにくさの原因に
「極端なダイエットでは、脂肪も減りますが、筋肉も減ってしまいます。結果、代謝が下がるので、あっという間にリバウンドすることに。戻った分はすべて脂肪。筋肉は減っていますから、ますますやせにくくなります」。筋肉という熱源が小さくなると、冷え性にもなりやすくなる。心当たりのある人は、早急に筋力アップを!
3.お腹、太ももなど体幹の大きな筋肉を鍛えれば30代でも必ず効果が出る
体の中でも特に大きいのが、お腹、背中、太もも、お尻など体幹の筋肉。熱を生む量も多く、エネルギー消費も大きい。「しかし、大きなエンジンも、ただ積んでいるだけでは不要な荷物になります。このエンジンをフル稼働させ、エネルギー消費率を上げれば、目に見えて脂肪が減り、何歳になっても確実に効果が表れます」。
4.運動すると脂肪も熱を生み始める!?
「体の熱は筋肉のほか、20%が内臓、20%が褐色脂肪細胞から産生されます。褐色脂肪細胞は首の横や心臓周辺、わきの下などにあり、脂肪なのに熱を生む、特殊な細胞です」。アメリカの最新研究では、熱を生まない白色脂肪細胞が、運動により褐色脂肪細胞に近い「ベージュ細胞」に変化するという朗報も。やはり運動は不可欠!
5.効率よく筋力アップするには“スロトレ”が最適。二次的な作用もたくさん!
「筋肉を効率よく鍛えるコツは、使っている筋肉を意識して、ゆっくりと動かすこと。ゆっくり行う5分のスクワットは、なんと30分のジョギングに相当する効果があります」。スローなトレーニング、いわゆる“スロトレ”は、自律神経を活性化させる作用も高い。これにより、基礎代謝が高まり、褐色脂肪細胞を活性化させることにも!
教えてくれたのは……スロトレの伝道師 石井直方さん
東京大学教授・理学博士。身体運動科学、筋生理学が専門。筋肉と運動のわかりやすい解説に定評。著書に『スロトレ』(高橋書店)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など。
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2013.05.24(金)
text:Yoko Maenaka
photographs:suravid/Shutterstock.com