神秘的なブルーの光を堪能できる“青の洞窟”ツアー

 浄土ヶ浜へのアプローチは、駐車場に面した浄土ヶ浜ビジターセンターの地下1階まで下り、そのまま遊歩道を進んで徒歩約15分。小石浜からトンネルをひとつ抜けて中の浜、もうひとつ抜けて砥石浜、さらに歩くと浄土ヶ浜に至ります。

 風光明媚な浄土ヶ浜を、ひたすら陸から眺めているのもオツですが、おすすめは“さっぱ船”と呼ばれる小型のボートで行く“青の洞窟”遊覧ツアー。

 ちなみにさっぱ船とは、三陸の漁師さんが使う機動力の良い小さな船で、“笹船”から名前が由来しているそうです。

 浄土ヶ浜マリンハウスで申し込み、ライフジャケットとヘルメットを装着し、いざ乗船。岬の裏側へ回り、海食洞の割れ目の間に、さっぱ船は侵入していきます。

 火山活動によって生まれた、柱状節理の幾何学模様が美しい入口から洞窟内へ。狭い岩の間に入れるのは、小回りが利くさっぱ船ならではです。岩に頭をぶつけないよう気を付けながら、目を凝らすと、七色に見える岩も。

 そして船長の指さす方向を見ると、神秘的なブルーの光が水中から放たれています。水温の低い春先のほうが、ブルーが冴えわたり、美しさが際立つそう。

 洞窟自体はそれほど奥行がなく、青の光をしばらく堪能した後に戻るのですが、その時、洞窟の中から見る海原も感動的です。

2021.03.13(土)
文・撮影=古関千恵子