それで本のタイトルも『PRIDELESS』って付けてもらって、こだわりなくすべて受け入れる生き方を全面的に打ち出してしまえ! ということになりました。
この「プライドレス」って言葉、僕はけっこう気に入ってるんですよ。すごく端的に僕のことを表しているように思うんですけど、どうですかね?
僕にとっては受け入れるのがいちばん楽な生き方
――むやみに周りとぶつかるのではなく、すべてを受け入れるのが正解とみなす考え方・生き方に、共感する人はけっこういるのでは? 実践するのはなかなか難しそうですが。
そうなんですかね。僕にとってはそれがいちばん楽な生き方だからなあ。結局僕はいつだって、楽なほうへ楽なほうへと流れていくことばかり考えていますから。
人とぶつかりたくないと思えば自分から負けちゃえばいいし、仕事でもむりやり壁を乗り越えようとするより迂回してみたほうがいいパフォーマンスになったりすることもあるだろうと思ってしまう。
そりゃ芸能界に入りたてのころなんかは、根性入れて精神すり減らして、生活を削ってがんばってナンボだという姿勢が大事かとも考えたけれど、やっぱりあまり性に合わなかった。40歳も近い年頃になると、ガッツで勝負するのとかはもういいやとなってくる。
好きなことばっかりを仕事としてやらせてもらってます
――たしかに年齢的な問題もあるかもしれませんね。
そうですね。僕は今のプライドレスな状況と姿勢が、とにかく居心地いいんですよ。そうすると意外にプライベートも仕事もうまく回り始めていく。
このところはテレビの仕事ももちろん楽しくやらせていただきながら、YouTubeのチャンネルを持って、その中の企画で故郷の長野に森を買ってみたりとか、オンラインサロンも始めたりと、好きなことばっかりを仕事としてやらせてもらってます。
どの仕事をしていても自分に無理がないし、「ああ今日この撮影か、しんどいなあ」というようなことはなくなりました。
2021.03.10(水)
文=山内宏泰