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──メイちゃんのお母さんのミナミさんが主人公の回もありますね。

益田 ミナミさんも、 「スナック キズツキ」の客のひとりです。彼女はヘルパーの仕事をしていて、利用者さんから心ない言葉をかけられることもあります。家に帰れば子供たちは反抗期の真っ最中。ミナミさんは、どうしようもない孤独感に襲われます。そんな時に「スナック キズツキ」で、「はい、今日もおつかれさん」とママに飲み物を出されて、張りつめていた気持ちに「しなり」ができる。孤独にも強弱があり、人はそんな流れの中でなんとかやりくりしているのではないかと思います。

「どうせわたしなんか」というセリフはさみしいじゃないですか

──「孤独にも強弱」があるというのは目からウロコです。作品やキャラクターを考える時に益田さんが一番大事にしていることはどんなことですか。

益田 「なにを言わない人間か」というのは大切にしています。たとえば、「どうせわたしなんか」というセリフは登場人物に言わせないようにしています。なんか、さみしいじゃないですか。わたし自身も言わないです。

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──それは大事なことですね。たとえ傷つくことがあったとしても、「どうせわたしなんか」と思わずに、『スナック キズツキ』を開いてお店に行きたいと思います。

益田 本を読んだり、映画や芝居を観たり、外側にある物語にわたし自身励まされることがあります。つらいとき、それが自分の「手すり」になるのではないかと思います。

 描き上げてみれば、どの客も歌わされたり、踊らされたり一息つくどころじゃありません。でもすっきりして帰っていきます。ぜひ漫画『スナック キズツキ』ご来店いただきたいです。

【マンガ】『スナック キズツキ』より、第2話「アダチさん」を読む

“パート仲間は~わたしの歯医者よりも子供のバレエ教室~♪” 「スナック キズツキ」では傷ついた人が解放されていく へ続く

2021.03.06(土)
取材、構成=相澤洋美