アバターのGReeeeN! 空を舞う氷川きよし! 大騒ぎの後半
●瑛人「香水」
なぜかKANと大江千里と幼馴染の優しいお兄ちゃんを思い出す。この曲は好き嫌いは別として鼻唄でボロッと出てしまう率が恐ろしく高い。「君のドールチェ&ガッバーナ……♪」の部分は特に、陰謀組織が洗脳に使ってもおかしくないと思うほどの擦り込みレベル。
●BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
SU-METALの歌声の素晴らしさ、MOAMETALの愛らしさに時が止まる。
そして今回、2人とともに圧巻のダンスを披露したアベンジャーズ(サポートダンサー)の岡崎百々子さんが博多華丸さんの娘さんと知って仰天。
●郷ひろみ「筒美京平 トリビュートメドレー」
「男の子女の子」「よろしく哀愁」を歌ってくれたのは本当に嬉しいが、短い短い短すぎる! 今回の紅白の怒りポイント。Majiで抗議の電話を入れかけた5秒前。
●GReeeeN「星影のエール 紅白SP」
おお、ついに素顔公開。全員イケメ……ん? いや待て。体の動きがなんとなくプラスチック。「これアバターじゃない?」と必死で家族に訴えているうちに歌が終わった。わが家は全員超がつく近視。パッと見はわからない!
2019年のAI美空ひばりに続く「SF映画みたいでビックリ枠」。
●嵐「嵐×紅白 2020スペシャルメドレー」
年末は嵐の特番を観まくったが、名曲だと思い知ったのがデビュー曲の「A・RA・SHI」。何度聴いても飽きるどころか、今さらにハマってしまった。カラオケで歌いたい。嗚呼歌いたい……。
●LiSA「アニメ『鬼滅の刃』紅白SPメドレー」
鬼滅を全く観ていなかったことに後悔。鬼の面を被ったダンサーが荒れ狂い、大画面には鬼滅の刃のアニメ映像が流れ、「ああ、観ておけばもっとテンション上がったのに、時代に乗り遅れてる感ハンパ無い」と頭を抱えた。
●YOASOBI「夜に駆ける」
まさに「駆ける」歌詞とメロディーに度肝を抜かれた。よくぞあんな速さであんな混み入った歌詞を生歌で! 一度噛んだら終わりではないか。
勉強熱心な魔女の隠れ家みたいな場所はセットかと思いきや、埼玉県所沢市の「角川武蔵野ミュージアム」。2018年の米津玄師の大塚国際美術館に続き、紅白を見て行きたい場所が増えた。
●YOSHIKI「ENDLESS RAIN」
ここ数年紅白の目玉のひとつになっている、YOSHIKIグローバル枠。
サラ・ブライトマンが歌う「まどろみ抱きしめて」の日本語にもキュンキュンきたが、ロジャー・テイラーがカッコよすぎてフォーリンラブ。理想的な白髪と髭よありがとう!
●氷川きよし「限界突破×サバイバー」
キューティーハニーのような変身の末、空を舞ったKii様! 黒レースの艶やかな脚披露からの金色の衣装。麗しい顔と麗しい声で、「へのへのカッパ」や「オッタマゲ」という力の抜けたワードを叫んでくれるたび、ギャップ萌えして呼吸が乱れた。
●玉置浩二「田園」
修行が終わって山から降りてきた仙人のような風情で美声を響かせた玉置浩二。ベートーヴェンの「田園」を組み込んだ「W田園」に大興奮。あのアレンジは誰!? 粋過ぎる。
パワーをありがとう! 定番のシャウト「オーイェエエイ」も最高。
そして、ミカンを剥く手を止め聴き惚れたのが、日本を代表する歌姫、SuperflyとMISIA。彼女たちが手をスッスッと振り歌うときの、魂を弾いて音(声)が出てます感よ……。
大泉洋が「ブラボー!」と大声で叫ぶ気持ち、わかる。わかるぞ!
時間内に限られた条件で、スタッフと出演者の見守る中、限度越えのパフォーマンスをするモチベーションの凄さよ。「どんなときも歌でパワーを送りますよ、楽しませますよ!」というアーティストの意気込みを感じた。
大泉洋さんの「ブラボー!」は黒柳さんがベストテンでよく言っていた「まあまあ、なんてステキ!」に匹敵する、素敵な歓声であった。
今年の大晦日も応援したいが、テレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」もすこぶる評判が良い。
くっ、歌好きにとって悩ましい二択は続く。「芸術との出会いは一期一会」などという強がりはもうやめて、録画機器を買うか……。
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2021.01.22(金)
文=田中 稲