●12星座と黄道12宮そしてユングのタイプ論との関係
雑誌の星占いでポピュラーな牡羊座から魚座までの12の星座(サイン)を総称して、黄道12宮と呼びます。しかしこれは、空を見上げて実際に見える星座ではなく、春分点を起点として黄道を30度ずつに区分したものです。
実際の点在する星座(コンステレーション)と区別するために、かつて12宮を牡羊座、牡牛座という呼び名ではなく、白羊宮、金牛宮という和名を用いたこともあります。
しかし過去何十年にもわたり雑誌の星占いで牡羊座、牡牛座という表現が定着してしまった事実もあるので、本書でも○○座という表現を使うことにします。
地球を中心に、天を太陽の見かけ上の通り道である黄道に沿って、南北8度ずつの幅をもった帯を12に分割します。
この黄道帯(動物の名前をつけた宮(サイン)が多いので獣帯(ゾディアック)ともいう)の範囲内を、ほぼすべての惑星が運行します。各惑星の黄道上の位置を、明確に記したものが出生図(バースチャート)というわけです。
そもそも黄道12宮とはいったい何なのでしょうか。占星術でいう12宮は、実際には地球が公転することによって生じる“彼方の光の回廊”のようなもの。
天に浮かび上がる光の回廊が、そっくりそのまま私たちの心の中にもあるとイメージしてみてください。
人類が長い間かかって経験してきた、人間の普遍的な心理や行動パターンが、黄道12宮にはすべて含まれています。そしてそれを12に分類したものが各サインというわけです。
各サインはそれぞれ特性をもっています。惑星を個性あるエネルギーの焦点だとすれば、12宮はその個性をいろいろな形で表現させてくれる12の空間です。
たとえば金星が牡羊座にあると、金星のエネルギーは牡羊座色に染まり、双子座にある火星は、双子座色の特性をもったエネルギーとして表現されます。
黄道12宮は、心理学者ユングが示した、人間の心の全体性を象徴したものです。
いわゆる「牡羊座生まれ」の人の心の中には、意識化された牡羊座の特性だけがあるのではなく、12のすべてのサインが内包されています。
いまだ無意識の中にある他のサインの特性にも意識の光を当てて、心の中で輝かせていくことが、あなたの未来や可能性を開く鍵となります。
電子書籍『完全版 心理占星学入門』
発行:文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)
心理占星術研究家・岡本翔子による心理占星術入門
2020.11.16(月)
文=岡本翔子
RANKING
- HOURLY
- DAILY
- WEEKLY
- MONTHLY
FROM EDITORS おやつや小ネタなどCREA編集部からのアレコレ
BOOKS
2024年10月15日発売
2024年10月16日発売
2024年10月24日発売
2024年10月7日発売