同世代に映画の良さを伝える喜び

――そういえば、「Q10」で共演した前田敦子さんとは今でもTwitterを通じて、映画談議をされていますよね?

「Q10」の現場に入っていた頃は、僕もひたすら映画を見ていた時期で、(柄本)時生と映画の話をしていたら、彼女が「いろいろ見たい」と言ってきたので、いろいろな作品を勧めてあげたんです。あの頃の彼女は、映画について全然知らなかったと思うんですが、今では一人でどんどん見に行っていますよね。きっと映画ってものが、彼女の体質に合ったんだと思います。しかも、とても影響力がある人なので、そうやって映画の良さを同世代の人に広めてもらえるのは、うれしいことですよね。すでに『横道世之介』も見てくれたみたいですし……(笑)。

池松壮亮(いけまつ そうすけ)
1990年7月9日生まれ。福岡県出身。2001年にミュージカル「ライオンキング」でデビューし、03年の映画初出演作『ラストサムライ』では第30回サターン賞で若手俳優賞候補になる。05年の『鉄人28号』で初主演を果たした後、『DIVE!!』『半分の月がのぼる空』などでも主演を務める。現在は映画・ドラマのほか、CM(日本生命『みらい創造物語』シリーズ)にも出演中。

『横道世之介』
大学進学のため、長崎県の港町から上京した横道世之介(高良健吾)。同じサークルに入部する同級生の倉持(池松壮亮)など、周囲の人間を引き付ける魅力を持ち、頼まれたことは何でも引き受ける性格である彼。そんななか、お嬢様の祥子(吉高由里子)から一方的に好かれてしまう。
yonosuke-movie.com
(C)2013『横道世之介』製作委員会
2月23日、新宿ピカデリーほか、全国ロードショー

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2013.03.07(木)
text:Hibiki Kurei